神奈川県議会 嶋村ただし(港北区選出・自民党)


Home
神奈川県議会 嶋村ただし(港北区選出・自民党)


本会議
2008年9月22日 平成20年9月・定例会
○嶋村ただし議員
 議長のお許しをいただきましたので、私は自由民主党神奈川県議団を代表して、通告に従い、提言を交えながら、順次質問をさせていただきます。
 知事におかれましては、明快かつ誠実なご答弁をいただきますようよろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。

 質問の第1は、地球温暖化対策の推進についてであります。
 今年2008年は、地球温暖化問題に関して極めて大きな動きを示す1年となっています。北海道洞爺湖サミットが終わり、やや一段落との感はありますが、それでもサミットを受けた次の動きとして幾つかの具体的な対策も打ち出されてきております。この動きを一過性のものとすることなく、この機会にしっかりと地球温暖化対策の橋頭堡を築き上げる必要があると思います。
 7月には、主要国や新興国など22カ国の首脳が集まりサミットが開催され、主要テーマの一つとなった地球温暖化対策については、主要国が世界に向けて、2050年までに温室効果ガス排出量を半分にすることを呼びかけました。一方では、中国やインドなどの新興国は目標の共有に応じましたが、具体的な数値には触れませんでした。開幕前から予想されていたように、主要国と新興国との間の考え方の違いが浮き彫りにはなりましたが、新興国の側にも歩み寄りの姿勢は見られましたし、アメリカも含めた主要国がある程度考え方を共有できたことは大きな前進であったと思います。そして、7月下旬には、サミットの成果も踏まえて、二酸化炭素の排出を少なくする社会を目指す低炭素社会づくりに向けた行動計画が閣議決定され、幾つかの施策については具体化が図られつつあります。
 一方、本県では、1月に「クールネッサンス宣言」が行われました。県の率先実行や普及啓発を初めとする11のリーディング・プロジェクトを掲げ、できるところから積極的に取り組んでいこうとの発想でスタートしたものです。
 そして、もう一つの大きな動きとしては、条例制定に向けた取り組みがあります。条例の検討は、2007年3月に設置された学識経験者や県民代表を中心とする「神奈川県地球温暖化対策検討委員会」において進められ、精力的な議論が交わされたと聞いています。今年に入って1月には、検討委員会による「神奈川県地球温暖化対策推進条例(仮称)」の中間案が報告され、2月までの1カ月間、県民意見の募集が行われました。あくまでも委員会による県民意見の募集ではありましたが、やわらかい段階から具体的なイメージも示しつつ、県民の意見を聞くことができたことは意義の大きい取り組みであったと思います。そして、年頭のクールネッサンス宣言と相まって、県民意識の高揚を図る上で、一定の相乗効果があったと思います。
 こうした県民意見なども踏まえて、先般の6月定例会においては、環境農政常任委員会などに、この「地球温暖化対策推進方策検討委員会」の条例最終案が報告され、我が党からも条例の趣旨なども含め、いろいろと議論をさせていただきました。現在、この最終案を踏まえて、県としての条例案の検討が精力的に進められていると理解しておりますが、この条例は、将来にわたり、本県の地球温暖化対策のあり方を定めていく重要なものであると考えています。
 そこで、知事に伺います。
 県としては、どのような理念や目的をもって、地球温暖化対策推進条例(仮称)を制定しようと考えているのか、見解をお聞きいたします。
 次に、地球温暖化対策に関して、一事業者たる県みずからの取り組みについて伺います。
 地球温暖化対策を円滑に進めていくためには、事業者や県民の理解と協力を得ながら進めていくことが肝要となります。実際、さきの地球温暖化対策推進方策検討委員会の最終条例案では、地域社会において二酸化炭素などの温室効果ガスの排出にかかわりの深い大規模事業者等に対して、排出量の報告や排出を削減するための計画書の提出を義務づけることが提案されておりますし、中小規模の事業者についても、同様の報告や計画を任意で提出することができることとし、これらの報告や計画書を提出した事業者に対して、県が指導や助言をすることも提案されています。
 地球温暖化対策は、取り組んだからといって、すぐに効果や結果が出るものではなく、地道に努力をすることが必要となってまいりますが、事業者の中には、企業活動として、ISOなどの環境マネジメントシステムの認証取得や新エネルギーの導入など、さまざまな環境配慮を実践し、温暖化対策に貢献するだけではなく、社員にも、マイバッグの使用や植樹ボランティアへの参加を呼びかけたり、家庭での電気やガスの節約に対して報奨金を与えるなど、個人の生活において環境配慮の実践を促すような取り組みを行っている例もあります。
 また、本県の二酸化炭素排出量の2006年速報値によれば、家庭部門からの排出は全体の約15%を占めており、また、1990年と比べると20%もの大きな増加となっております。すなわち、実効性のある地球温暖化対策を進めていくためには、事業者だけでなく、県民にも早急に行動を起こしていただく必要があります。
 私も本年7月に太陽光発電を採用して発電を開始していますが、我が家の電気量や意識改革、そして太陽光発電に興味を持っている方へアドバイスができるなど、知らぬ間に温暖化防止指導員のような存在になった気持ちであります。私は太陽光発電派ですが、業者の皆さんの努力とは別に、私のようなユーザーの意見が実体験に基づいたものだけに、太陽光発電の一層の普及につながっていくのではないかと考えています。したがって、県庁の職員の方々にも、まずは太陽光発電に興味を持っていただきたいと思います。
 私は、地球温暖化対策推進条例(仮称)の施行に当たり、事業者や県民の皆さんに温暖化防止に向けた取り組みを促していくためには、まずは事業者や県民の理解、次に協力が不可欠であると考えています。そのためには、何よりもまず県が一事業者として、事業活動を行う際にも、みずから率先して二酸化炭素排出量の削減に向けた取り組みを進めているという姿勢を、そして実績をより明確に示していく必要があります。
 そこで、知事に伺います。
 一事業者たる県として、これまでどのように地球温暖化防止の取り組みを進めてきたのか、また、今後どのような取り組みを進めていこうと考えているのかをお聞きいたします。

 質問の第2は、かながわ農業の活性化についてであります。
 最近、国内で続いている食料偽装や消費期限の書きかえ問題等の食の安全・安心を脅かす事件・事故については、食料流通における消費者の信頼を大きく裏切る行為であり、まことに遺憾であります。そして、食の安全・安心の観点からすれば、生産者の顔が見え、流通形態がはっきりした食料を身近な場所で手にすることが必要と考えます。
 さて、パン、めん類、チーズなど、私たちの生活に密着した食料が、最近、値上がりしていますが、中国やインドなど新興国の経済発展による食料需給の増加や世界的な気候変動などによる穀物価格の高騰も大きく影響していると言われております。
 この食料の問題に関しましては、先月の新聞報道では、我が国の食料自給率はカロリーベースで、平成18年度の39%から平成19年度は1%上昇し、40%に回復したとのことでした。13年ぶりの上昇とのことでありますが、昭和40年の73%から、33年後の平成10年に40%まで低下し、それ以降、食料の約60%を海外に依存しているという状況が続いております。
 そこで、神奈川の食料自給に目を転じますと、東京都の1%、大阪府の2%に次いで、全国で3番目に低い3%となっています。本県の食料自給率を見てわかりますように、県では地産地消を積極的に推進していますが、現状では、需要に生産が追いつかないということを聞いています。人口が多い都府県では、食料自給率が低くなるということはわかりますが、895万県民が生活する大消費県である本県において、県内産あるいは国内産の食料を消費していただくことは、県だけでなく、国の食料自給率の向上にもつながると考えます。
 平成18年度県政モニター県政課題アンケートでは、多くの県民の皆さんが、神奈川の農業の役割として、安全な食料の供給、食料の安定供給を挙げており、また、9割以上の方が、今後もさまざまな形で農業を振興することは必要と回答しております。
 本県の農業に対しては、このように多くの県民の皆さんが期待している一方で、生産の面から見ますと、この10年間で農業就業人口は約2割、耕地面積は約1割減少し、さらに耕作放棄地は約3割増加するなど、農業の生産量の向上に向けては厳しい状況と言わざるを得ません。
 さらに、昨年暮れからの原油・原材料や家畜飼料の高騰などは、今後も高どまりのまま推移することも想定されます。こうした本県農業を取り巻く厳しい状況の中で、食料生産の維持・拡大を図るためには、担い手の確保、生産向上のための新たな技術の開発などの取り組みが大切であります。
 本県では、都市農業の持続的な発展を通して、県民の皆さんの健康で豊かな生活を確保することを目的として「神奈川県都市農業推進条例」を制定し、この条例に基づく指針として「かながわ農業活性化指針」を策定しています。この指針では、主要農畜産物の平成27年度における生産努力目標として、米では24万人分、野菜では279万人分、牛乳では234万人分など目標値が示されています。しかし、本県農業を取り巻く厳しい状況を考えますと、この目標の達成が可能なのか、非常に懸念しているところであります。
 そこで、知事に伺います。
 「かながわ農業活性化指針」において、生産努力目標を示した主要農畜産物の平成27年度の目標達成について、どのように認識しているのか。また、目標の達成を含めて神奈川の農業の活性化に向けて、農業の担い手育成・確保や地産地消の推進、新たな農業技術開発の取り組みなど、総合的な取り組みが必要と考えますが、あわせてお聞きいたします。

 質問の第3は、いわゆる出会い喫茶規制についてであります。
 本定例会に、出会い喫茶を規制するための「神奈川県青少年保護育成条例」の一部改正案が提案されました。出会い喫茶は、女性無料の漫画喫茶などの宣伝で女性を呼び込み、女性専用スペースで待機させる一方、男性からは料金を取り、店内にいる女性を選ばせ、別室で会話をさせて、合意すれば女性を店外に連れ出せるというものです。しかも、一部では、18歳未満の少女を積極的に勧誘し、男性客にはマジックミラー越しに物色させて、指名や連れ出しをあおる等、極めて悪質な営業が堂々と行われています。従業員でもない女性をまさに商品として扱うこうした営業が、法律の制約もなく行われているということ自体が、私には全く許せないことであります。その結果として、中学生や高校生の少女が、児童買春やわいせつ行為の被害者になってしまった事件が多発していると報道されており、この店舗が児童買春等の犯罪の温床となっていることは明らかであります。このまま放置すれば、さらに重大な事件が起こりかねないと言っても過言ではありません。
 この出会い喫茶は、現在、インターネットで把握する範囲で、全国で約100店舗が営業していると言われています。本来であれば、いわゆる風営法の改正により取り締まることが望ましいと考えますが、本県から、昨年、今年と国に提案してもその動きがないと聞いております。そうした状況にあっては、青少年保護育成条例の改正により、青少年を守るために必要な内容を盛り込み、しっかりと規制を行い、神奈川ではそのような営業は許さないという強い姿勢を示さなければならないと考えます。
 本県では、本年5月に、条例改正による規制の方針が打ち出され、その後、「児童福祉審議会」において精力的に審査、審議が進められ、また、本議会常任委員会でも活発な審議がされてまいりました。我が党としましても、委員会の場などを通じ、青少年の健全育成上、大変問題のある出会い喫茶を早期に規制するため、一刻も早く条例を改正すべきであるとの意見を重ねて述べてきました。
 さて、その一方で、私自身、青少年指導員として日ごろから青少年に接している中で感じていることがあります。出会い喫茶のように危険な場所から青少年を守るには、まずは必要な規制を速やかに行うことが必要でありますが、残念なことに、青少年を利用しようとする業態は絶えることがなく、出現し続けると考えざるを得ません。
 そこで、もっと重要で根本的なことは、私たち大人が、日ごろから、それぞれの立場でさまざまな機会を通じ、自分自身を大切にして生きていくことを青少年に伝えていくことではないかと考えるのであります。
 出会い喫茶に関して言えば、児童買春の事件が報道されたにもかかわらず、問題の店舗では、この夏休み中に女性会員が7,000人にも達したという実態を伺うと、少女たちが出会い喫茶の危険性を全く認識していないのではないかと危惧するところであります。少女たちがもっと自分自身を大切にするという意識を持てば、このような店舗がこれまで客を集めることはないと思いますし、私たち大人が強い気持ちをもって、青少年が健全な精神を持てるよう導いていかなければならないと改めて強く感じております。
 そこで、知事に伺います。
 今回、出会い喫茶を規制するための青少年保護育成条例の一部を改正する条例案が提案されましたが、改正の基本的な考え方、趣旨はどこにあるのか。また、今回の条例改正を契機として、知事はどこに力点を置き、青少年の健全育成に取り組んでいこうとされているのか、あわせてお聞きします。
 最後の質問になりますが、情報セキュリティーについてであります。
 初めに、情報セキュリティーに対する現状認識について伺います。
 神奈川は全国で最初に全居住地域にインターネットの高速通信網、いわゆるブロードバンドネットワークが整備され、ITの普及・活用が進んでいますが、今後、少子・高齢化が進み、労働力人口が減少していく中、県民の利便性の向上やインターネットなどを活用した県経済の活性化を図るとともに、さらなる県行政の効率化を進めるためには、ITの利活用がますます重要となってきます。
 一方、行政機関としての県の状況に目を転じてみますと、某私立大学が全都道府県を対象にして、各都道府県の庁内情報化や行政サービス、さらには情報セキュリティーの3領域の進展度を見るために、2007年度の電子自治体進展度調査を実施しております。これを見ますと、都道府県の総合ランキングの上位10位には、東京都、埼玉県、茨城県などの首都圏近県が入っていますし、また、大阪府や京都府という大都市も名を連ねています。しかし、本県の名前はありませんでした。そして本県は、総合ランキングが21位ということでありました。
 その内訳を見ますと、庁内情報化では28位、行政サービスでは16位、そして情報セキュリティーでは16位ということです。この調査結果を取り上げたのは、この調査は都道府県自身がアンケート項目に回答するもので、各都道府県の電子化・情報化に取り組んでいる専門セクションの意識が反映されていると聞いてからでございます。そういう目で見ますと、大都市である本県の順位の低さがとても気になるところであります。本県では、電子化・情報化への取り組みは全国的にも早かったと記憶していますが、早く取り組んだだけに、その後の進展にある意味では乗りおくれているではないかと心配しております。
 さて、最近、IT化が進んでいる一方で、ITに絡む事件・事故が増加の一途をたどっています。ITの利活用を推進していくためには、ITを使うためのインフラの整備や、ITを利用して発信するさまざまな情報の整備などと同時に、インターネットを利用する上での安全性の確保、とりわけ個人情報などの重要な情報を取り扱う上での安全性の確保、情報セキュリティー対策も同時に進めることが重要となります。本県では、情報セキュリティー対策として、平成15年3月に「情報セキュリティーポリシー」を策定し、県組織としてどのように情報セキュリティーを確保していくかという方針と具体的なルールを明確にするとともに、コンピューターウイルス対策などの情報セキュリティー対策を実施してきたと承知しています。さらに、平成18年3月には「行政情報化指針」を策定し、庁内の業務システムの情報セキュリティー確保、コンピューターシステム運用の最適化を図り、業務のさらなる効率化に取り組んでおります。
 こうした中で、本県では、この7月から8月にかけて、5件ものUSBメモリの紛失事故が立て続けに発生しました。いずれの紛失事故も、USBメモリの中には個人情報や企業から預かった情報など重要な情報が暗号化もされずに含まれていたということですが、このような事故が一度起きれば、民間企業であれば信用が失墜し、損害賠償を請求されるおそれがあります。さらには、廃業を迫られるような問題にまで発展することさえあります。
 一方で、本県も含め、最近の自治体におけるUSBメモリの紛失事故については、行政職員の意識の甘えがどこかにあるのではないかと思ってしまいます。そして、過去の損害賠償請求等を参考にすれば、USBメモリ一つを紛失した場合には750億円もの損害賠償を負担する場合さえ想定されます。個人情報の流失そのものは自治体の信頼を損なう行為であり、本来あってはならないことですが、さらに大きな経済的負担というリスクが伴うことを自覚することが必要です。このため、民間企業などではその使用を禁止し、制限するなどの対策に力を入れていますが、私は、USBメモリのようなリスクの高い記録媒体に頼らず、しっかりした情報管理の仕組みを構築するとともに、一層の情報セキュリティー対策を行っていく必要があると考えます。
 本県では、情報セキュリティーポリシーを策定して、職員への周知を図るなどの対策を講じてきましたが、情報セキュリティーポリシーを策定し、ルールを定めても、それが守られていないのであれば意味はありませんし、たとえよいルールをつくっても、そのルールに沿って無理なく業務ができる環境をあわせてつくらなければルールが形骸化します。したがって、最近の紛失事故を見る限り、本県の情報管理体制自体に何か問題があるのではないかと思わざるを得ません。
 そこで、知事に伺います。
 知事は、このような状況をどのように認識しているのか、見解をお聞きいたします。
 次に、情報セキュリティー対策の推進について伺います。
 ハインリッヒの法則によれば、1件の重大な事故の裏には29件の小さな事故があり、さらに300件の事故寸前のひやりとしたり、はっとする危険な状態があると言われています。民間企業では、一度大きな事故が起きてしまうと、企業の存続にかかわることになります。したがって、建物や執務室への入室制限をICカード化した身分証明書で行ったり、コンピューター利用等により、ICカードがなければ利用できないようにしたり、だれが、いつ、何の情報を扱ったかという記録をとったりするなど、高度な情報セキュリティー対策が導入されています。
 しかし、不特定多数の人が自由に出入りできる県庁では、こうした対策は難しいと思います。そうであれば、なおさら執務環境やIT環境などの面において、多少業務が不便になっても、強固な情報セキュリティー対策を施す必要があります。情報セキュリティーへのさまざまな脅威は、日々新たに発生しており、こうした脅威に合わせた対策を即時に実施する必要があります。セキュリティー対策を進めるためには、ルールとそのルールを支える環境である技術的な基盤が両輪で整備されないと実効力が伴いません。ルールをつくってもそれを実践するための仕組みをつくらなければ、ルールの効力は発揮されません。
 民間企業や先進自治体などでは、トップや執行権がある責任者が先頭を切って情報セキュリティー対策に取り組んでいます。情報セキュリティーを確保することはなかなか難しいことでありますが、トップが情報セキュリティーの重要性・必要性を理解し、リーダーシップを発揮していかなければ、組織としての情報セキュリティー確保は困難であると強く感じております。実際に、インターネットなどIT利用に関する犯罪に対する安全対策がなかなか追いつかないといった状況にあります。
 こうした状況の中で、国でも次期情報セキュリティー基本計画の策定を進めており、第1次提言では、政府や地方自治体の役割として、他の範となるように、みずからの情報セキュリティー対策を実施するとともに、県民や企業などの情報セキュリティー対策を支援することを打ち出しています。
 このように、現在のIT環境の危機的な状況をかんがみますと、県民や企業、さらには自治体など、それぞれがみずからの身を守ることが必要です。その中でも、県民の皆様から重要な情報をお預かりしている県が、みずからの情報セキュリティー対策をしっかりとやっていくことが大変重要なことであると考えます。
 そこで、知事に伺います。
 知事みずからが先頭に立って、本県の情報セキュリティー対策を強力に押し進めるべきと考えますが、見解をお聞きします。
 以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。ご清聴、まことにありがとうございました。

○知事(松沢成文)
 嶋村議員のご質問に順次お答えをいたします。
 まず初めに、地球温暖化対策の推進について、2点お尋ねをいただきました。
 まず、県としてどのような理念、目的をもって条例制定を考えているのかとのお尋ねでございます。
 条例の検討は、これまで学識者や県民代表等で構成される「神奈川県地球温暖化対策推進方策検討委員会」を中心に進めてまいりましたが、先般、この委員会から条例のあり方についての報告をいただき、現在はこの報告を踏まえ、県としての条例の骨子案づくりを進めているところであります。
 地球温暖化は、人類が化石燃料を大量に消費することによってもたらされた人類共通の課題であり、私たちすべてが地球市民として自覚を持ち、みずから行動することにより解決していかなければなりません。
 そこで、本県の条例の基本的な理念、目的といたしましては、まず、事業者や県民などの各主体に対し、責務と役割を明らかにし、地球温暖化防止のための主体的な取り組みを促すということを掲げたいと思います。例えば、CO2を大量に排出している大規模事業者に対しては、温暖化対策の計画書の作成、提出を義務づけ、これを県が公表することで、事業者の積極的な取り組みを促していく制度の導入を考えています。また、県民に対しては、ライフスタイルの転換など、より自発的な行動を求めてまいりたいと考えています。
 このように各主体ごとの取り組みを求める一方で、各主体が相互に連携し、協働して温暖化対策に取り組んでいただくということも重要だと考えております。例えば、大規模事業者であれば、みずからの排出抑制に努めるだけでなく、自力では省エネ等に取り組むことが難しい企業への技術的支援や森林の整備など、温暖化対策に広く貢献する取り組みを求めていくことを検討しております。
 さらに、本県にはこれまで環境問題に積極的に取り組んできた経験とこれを支えた人材、また高度な技術を有する産業の集積がございます。そこで、こうした技術面・産業面での先進性・優位性をフルに活用して、環境配慮技術により温暖化問題に貢献していくということも重要な考え方、理念であると考えております。
 このように本県の特性である先進力と協働力を最大限に生かして、神奈川をエネルギー多消費型社会から地球環境への負荷の小さい社会に転換し、良好な環境を未来の世代へ引き継いでいくということを、この条例の理念及び目的としてまいりたいと考えています。
 次に、県の一事業者としての地球温暖化防止のこれまでの取り組みと今後についてお尋ねがございました。
 県では、一事業者として行う事業活動により発生する温室効果ガスの排出抑制のための対策などを定めた「神奈川県地球温暖化防止実行計画」を平成15年10月に策定し、平成22年度までに温室効果ガス排出量を平成12年度実績値から10.6%削減するという目標を設定しております。この目標を達成するため、排出量の約60%を占める本庁・出先機関や警察の庁舎、約23%を占める浄水場などの発生源ごとに、削減のための具体的な取り組みを推進しております。
 例えばエネルギー効率の悪い庁舎には、民間資金を活用したESCO事業を導入して、エネルギー消費量の削減を図っております。また、浄水場では取水や送水のためのポンプの運転について、より効率性の高い方法に改善していくことにより、電力使用量の削減に取り組んでおります。このほか、庁舎から発生する温室効果ガスを削減するために、空調の小まめな温度調節やエレベーターの効率的運転等のほか、OA機器の効率的使用、昼休みの消灯等に取り組んでおります。
 こうした取り組みの結果、県が行う事業活動により発生する温室効果ガスは平成18年度実績値で平成12年度対比5%の削減となっており、目標達成のためには、今後取り組みの一層の強化が必要であります。
 さらに、本年5月に省エネ法が改正され、これまで一定規模以上の庁舎のみに個別に課せられていたエネルギー管理義務が拡大し、今後はすべての庁舎を対象にした中長期計画を作成し、定期報告を行うことが求められてまいります。このため、これまで以上に計画的な全庁的取り組みが必要であり、排出量の60%を占める庁舎において、省エネ効果の高い設備をできるだけ多く導入していくことなど、さらなる工夫を進めてまいりたいと考えております。
 また、県の率先実行という意味では、県民や事業者への地球温暖化防止の取り組みをわかりやすくお伝えすることも大切であります。そこで、クールネッサンス宣言のリーディング・プロジェクトに位置づけた県施設への太陽光発電設備の導入や、公用車の電気自動車への転換、急速充電器の設置、さらには白熱球から電球形蛍光灯への転換などを率先して推進し、県民や事業者の地球温暖化防止に向けた行動を促してまいります。
 次に、かながわ農業の活性化についてのお尋ねをいただきました。
 まず、「かながわ農業活性化指針」においてお示しした主要農畜産物の平成27年度の目標達成に対する認識であります。
 指針では、本県の主要な10品目について、作付面積や生産量を目標として設けておりますが、このうち、米、野菜などの6品目については、県民の皆さんにわかりやすいものとするため、生産量を一人当たりの消費量から、人数換算した数値もあわせて示しております。これらの平成18年度の実績値を見ますと、米が23万人分、野菜が283万人分、果実が80万人分となっており、ほぼ指針の想定に沿っております。
 一方、畜産分野については、牛乳は192万人分、豚肉61万人分、鶏卵130万人分など、相当な生産量はあるものの、都市化の進展に伴う環境対策への負担の増加などから、生産者が大きく減少していることもあり、指針の想定を下回る傾向となっています。
 加えて、昨今の原油や飼料などの高騰もあり、米、野菜なども含めた平成27年度の生産努力目標を達成するためには、今まで以上の努力が必要であると認識しています。
 そこで、次にお尋ねのございました目標達成を含む神奈川の農業の活性化に向けた取り組みでございます。
 私は、本県の農業は現在厳しい状況下にはありますが、世界的な食料需給の将来を見通しますと、高い技術や生産地と消費地が近接する優位性を生かして、安全で安心な食料生産を続けていけば、展望は明るいものと考えています。もちろん、原油価格の高どまりを考えると、今後は農業におきましてもコストを一層意識した経営が求められてまいります。このため、本県といたしましては、例えば農商工連携による経営の高度化や地産地消の推進、新規参入も含めた担い手の参画促進などの取り組みを通じて、生産面、経営面、あるいは販売面における一層の経営構造の改善に生産者とともに取り組み、神奈川の農業の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、いわゆる出会い喫茶を規制するための条例改正案の基本的な考え方と、今回の条例改正を契機とした今後の青少年の健全育成への取り組みについてお尋ねがございました。
 出会い喫茶の実態は、議員お話しのとおりでございまして、法令の網をかいくぐり、少女を利用しようとしているとしか思えない営業には、私も強い憤りを覚えます。加えて、出会い喫茶を利用した少女が児童買春等の被害者となる事件が続発している状況を踏まえますと、青少年にとって大変危険な場所であり、できるだけ早く「青少年保護育成条例」によって規制し、こうした営業は社会が放置しておかないという姿勢を明確に示すべきと考えています。
 こうした認識のもと、作業を急いでまいりましたが、この間、「児童福祉審議会」及び県議会での精力的な審議、また罰則協議に係る横浜地方検察庁の特段の協力など、関係者の皆様も同じ認識に立って取り組んでいただいた結果、本定例会に条例改正案を提案させていただくことができました。
 内容につきましては、青少年の保護育成という条例の目的に照らし、出会い喫茶に対し必要な規制を課すとともに実効性を確保するという趣旨から、青少年を利用者として立ち入らせること、及び勧誘行為等の禁止を中心に、届け出などの義務づけや、これらに違反した場合の罰則等の規定を設けるものでございます。
 条例改正案を議決いただければ、できるだけ速やかに施行するとともに、関係機関と一体となって規制の遵守徹底に取り組んでまいります。同時に、出会い喫茶は全国的に広がってきておりますので、引き続き、国に対して風営法の改正を強く働きかけてまいります。
 また、今後の青少年の健全育成への取り組みでありますが、本県ではこれまでも条例改正による深夜外出の制限、有害図書類の区分陳列、残虐なゲームソフトの有害指定や業界の自主規制と連動した制度の創設、「青少年喫煙飲酒防止条例」の制定など、青少年をめぐる問題に迅速かつ的確に対応してまいりました。今後も社会環境の変化を注視しながら、こうした適時適切な行政対応に力を注いでまいります。
 あわせて、出会い喫茶に集まる少女たち、誘惑の多い情報化社会の現状を見ますと、青少年に対して、そこにひそむ危険性を伝え、自分を大切にして身を守ることを教えることも、非常に重要ですので、教育委員会や警察とも連携をし、その周知・啓発に取り組んでまいります。
 最後に、情報セキュリティーについて、2点お尋ねがございました。
 まず、情報セキュリティーに対する現状認識についてであります。
 本県におきましては、行政事務の効率化のため、業務で必要とする職員にネットワークに接続されたパソコンを配備するなど、ITの利活用を進めてまいりました。一方、IT利活用の推進にあわせまして、平成15年3月に県の情報資産の取り扱いについて総合的に取りまとめた「情報セキュリティーポリシー」を策定し、基本的な方針やルールを守るよう階層別職員研修のテーマとして職員に周知をしてまいりました。
 技術的な対策としましては、コンピューターウイルス対策やインターネットからの不正アクセス対策などに取り組んできたところであります。あわせて、16年度からは外部の専門家による情報セキュリティー監査を実施し、情報セキュリティー点検などとともに点検評価を実施してまいりました。にもかかわらず、県民や企業の皆様の大切な情報をお預かりしていながら、7月から8月にかけてUSBメモリの紛失事故が連続して発生したことは、私としても非常に重く受けとめており、さらに力を入れて取り組まなければならない問題であると認識しています。
 こうした事態を受けまして、全職員に向けてUSBメモリの取り扱いについて注意を喚起するとともに、庁内におけるUSBメモリの管理状況について実態調査を実施いたしました。その結果、業務で使用が禁止されている私物のUSBメモリが持ち込まれていたり、重要情報を庁舎外へ持ち出す際に所属長の許可を得ていないなど、情報管理が必ずしも適切に行われていない現状があることが判明いたしました。
 USBメモリの取り扱いについては、改めて職員に周知徹底するため、私物は職場に持ち込まない、職場外へ持ち出すときは所属長の承認を得るなど、USBメモリの取り扱い7原則を定め、職員向けのホームページの目立つところに掲載し、あわせて職員一人一人へ電子メールで通知いたしました。さらに、現在、私物のUSBメモリを職場から一掃するなど、情報管理体制の改善に全庁挙げて取り組んでいるところでございます。
 最後に、情報セキュリティー対策の推進についてでございます。
 情報セキュリティー対策につきましては、知事である私が全体を統括し、体制面、技術面、さらには職員の意識啓発面において、総合的な対策を進めていかなければならない重要な課題であると認識しています。そのため、本県では、情報セキュリティーポリシーにおいて、副知事をCIO、最高情報統括責任者と定め、総合的に情報セキュリティー対策を進めてまいりました。昨年度からはすべての所属長を対象とした情報セキュリティー管理者研修を実施し、情報セキュリティー対策の重要性、必要性について正しく理解し、実践するよう取り組んでまいりました。
 また、外部の専門家による情報セキュリティー監査に加え、今年度から研修を受けた職員による監査も実施し、これにより監査対象の拡大と職員の意識の向上を図っております。
 一方、技術的対策面では、職員の権限に応じて扱える情報を制限したり、操作記録を残すシステムの設計を今年度から行っており、また、重要情報を安全に管理できるようなサーバーの構築についても検討を始めております。
 さらに、今年4月からはIT担当部長を設置し、行政情報課の的確な推進とともに、情報セキュリティー対策についても部局横断的に推進できるよう体制を充実させたところであります。
 こうした取り組みが効果を発揮するためには、私を初め、職員一人一人の情報を取り扱う上での倫理の向上や意識改革が極めて重要であります。最近でもたび重なる情報管理上の事故が起こっておりますことから、改めて、県民や企業の皆様からお預かりしている大切な情報をしっかりと管理し、皆様からの信頼をなくすことのないよう、情報セキュリティー対策を徹底してまいります。
 答弁は以上でございます。

○嶋村ただし議員
 知事には御答弁ありがとうございました。
 時間がなくなってまいりましたので、自席から失礼をさせていただきます。
 まずは地球温暖化対策についてでありますが、どうしても温室効果ガスの排出量の高い大企業に協力を求めるというものは言うまでもないと思いますが、もう既に大企業でもこの取り組みに積極的に取り組んで、ホームページで掲示をされたりということが進んで開示をされているところでございます。ぜひとも私としては、神奈川県みずからがこの実績を、自分たちがやっている実績をホームページ等々でオープンにして、そして温室効果ガスに関係のない普通の事務処理であっても、事務的なことが多い企業であっても、こういった努力をすることによって、少しでも地球温暖化に向けた取り組みがなされるんだというような見本をぜひとも見せていただきたいなというふうに考えるところでございます。
 そして、二つ目のかながわ農業活性化について質問させていただきましたけれども、やはり今県民問わず、全国の日本の皆様が食に対する関心というものについては、一番これは気にしているところではないかと思います。食料自給率が国は40%ということで大変低いということを感じているのは、私だけではないと思います。神奈川県での自給率は3%ということで、これだけを聞きますと、非常に神奈川県民は不安だなというふうに感じ取るかもしれませんが、この食に対する関心を糧に神奈川県としてこの食に対する農業活性化というものに結びつけていただいて、農業従事者との会話を含め、生産者の気持ちになって、少しでも多くの量の生産になるように政策をおつくりいただきたいなというふうに要望させていただきます。
 そして、3点目の出会い喫茶についてでございますが、これはもう言うまでもありませんが、神奈川県にこのような施設が存在するということ自体、大変不満を持つところでございます。どうぞ知事主導で取り締まりをきつくしていただきたいと思います。
 最後になりましたが、情報セキュリティーにつきましては、知事のリーダーシップを心から必要というふうに思いますので、ぜひとも取り組みのほどよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わらせていただきます。



後援会
事務所
メール

神奈川県議会
詳細


 
Copyright(C) 2009 嶋村ただし All Rights Reserved.