神奈川県議会 嶋村ただし(港北区選出・自民党)


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本会議
2007年9月25日 平成19年9月・定例会
○嶋村ただし議員
 第100代松田議長のお許しをいただきましたので、私は自由民主党神奈川県議団の一員として、通告に従い、順次提言を交えながら質問をいたします。
 質問に先立ちまして一言申し上げます。
 去る7月16日に発生しました新潟県中越沖地震は死者11名にも及ぶ大災害となり、柏崎市を初めとする被災に遭われた方々におかれましては、予期せぬ災害に今でもご苦労が絶えないこととお察し申し上げ、ご不幸に見舞われた皆様に心からご冥福を申し上げます。
 また、今月9月6日に神奈川県に上陸した台風9号は、交通の主役であった西湘バイパスの擁壁の流出、地元の高校への重要な通学路であった十文字橋の落橋など、県内に大きな傷跡を残していきました。神奈川でも起こり得る自然の猛威に驚くとともに、災害に遭われた皆様の心中を思うと、単に自然災害の一言では済まされないもどかしさを感じながら、このような災害を防ぐ対策を一刻も早く講じなければと痛感している次第でございます。ここで被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げ、質問に入りたいと思います。
 改めまして、知事におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。また、先輩並びに同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。

 質問の第1は、私たちの身近にあり、日々使っている橋梁の高齢化対策について伺います。
 本県では、相模川、酒匂川を初めとする大小の河川が数多く流れていることや鉄道網が発達していることもあり、河川を渡る橋や鉄道をまたぐ跨線橋など、県が管理するだけでも1,200を超える橋梁がかけられています。ご案内のとおり、橋梁は日常的には県民の経済活動や社会活動を支え、災害時には緊急輸送路として災害復旧活動を支える交通網の一翼を担うなど、県民が安心して豊かな生活を送る上で非常に重要な施設であります。そのため、一たび橋梁が崩落するなどの事故が起きれば、県民の生活や経済に大きな影響を及ぼすことになります。
 去る8月2日に、アメリカのミネソタ州において、建設後40年たった橋梁が長さ150メートルにわたって崩落し、新聞などの情報によると、13人が死亡し、100人以上が負傷するという惨事になりました。崩落の原因はまだ究明されておりませんが、我が国でも対岸の火事とすることができる問題ではありません。
 国内の状況を見ますと、ことしの6月には三重県内の国道23号において、建設後44年経過した木曽川大橋で車道を支える鋼材が破断しているのが発見されるなど、これまで大きな地震が起きなければ安全だと思っていた橋梁の安全性に、不安を抱かざるを得ないような事故が起きています。
 また、国土交通省の報告によると、今後、国内では建設後50年以上経過した、いわゆる「高齢橋」の数が急速に増加するとされています。そのような状況を踏まえ、国土交通省では、今後、橋梁の更新時期が集中してくる中で、既にある橋梁を小まめに修繕することで、その寿命を延ばすための予防保全を進めるといった基本方針を打ち出しています。
 一方、本県の橋梁を見てみますと、昭和30年代から40年代の高度経済成長期に現在の橋梁の約3割が建設されており、今後、本県が管理している橋梁においても高齢橋の数は急速に伸び、県の予測では、全体の橋梁数に対する高齢橋の割合は、現在の2割から20年後には約7割に達するとしています。
 本県も含め、我が国の公共事業は長い間、景気対策に使われ、新しい橋を建設することばかりに目が向きがちでした。橋梁の建設がピークの時代は、大量生産・大量消費の時代であり、少ない材料で多くの橋を建設していたことを考えると、建設後50年近くが経過し、これらの橋の老朽化問題がそろそろ見え出してくるころだと思います。橋が弱っていれば、小さな欠損でも大きな事故につながる可能性があります。それを防ぐには、橋梁の定期的な点検を実施するとともに、早めに適切な処置を行うことが重要ではないでしょうか。
 人間に例えれば、まさに人間ドックのような定期的な検診を行い、カルテを作成して早めの治療を行う、このような取り組みを橋梁においても進めることが必要だと思います。
 また、橋梁のかけかえには膨大な費用と資源が必要となります。このままいけば、本県でも寿命を迎えた橋梁のかけかえ時期が集中することが見込まれますが、昨今の厳しい財政下において、橋梁の安全性の確保を最優先としつつ、コストの縮減を図ることも重要と考えます。
 そこで、知事にお尋ねします。
 本県においては、今後、高齢橋が急速に増加してくる中で、きめ細かな橋梁点検の実施と、適切な補修などによる計画的な維持管理を行い、県民生活を支える橋梁の機能をしっかりと維持していくことが重要であると考えますが、本県では橋梁の高齢化対策を、今後どのように進めていこうとしているのか、伺います。

 質問の第2は、食の安全についてです。
 初めに、輸入食品の安全性確保について伺います。
 私は、食についての視点として、やはり食の安全・安心の確保が最も大切であると認識しております。近年、民間では安心で安全な食品の提供を理念とし、日本の食品メーカー十数社が集まり、栽培から加工まで、有機JAS規格により丁寧に仕上げたオーガニック食品シリーズを提供しています。まさに、安全な食品の提供は企業イメージではなく商品の質をうたうことで、消費者に製品のよさを提供する試みが進んでいます。
 そして、国内の農産物や水産物については、いわゆるJAS法や食品衛生法などによって規制され、安全や品質が守られているところですが、こうした食品や食材に関する安全性の大切さについては、最近の報道でも大きく取り上げられ、消費者の関心も非常に高まったところであります。
 幸い、昨今、国内で発生した違反事件では、賞味期限切れや、ひき肉にほかの肉を混ぜるなど、直接、消費者の健康被害に至らない事例であったわけですが、中国などからの輸入食品の安全性について報道されるような問題は、改めて多くの国民、消費者の注目を集めたところであります。
 平成18年度の日本の食料自給率を調べてみますと、カロリーベースで39%と、40%を下回り、食卓に並ぶ食品の多くが輸入品という現状であります。中でも、中国産食品の輸入件数は全体の約3割を占め最も多く、このような状況において、昨今、中国産の食品に対する製品回収や輸入禁止等の措置が世界各国でとられていると報道されていることは、見過ごすことのできる状況ではありません。
 具体的な事例といたしましても、アメリカの事例では、中国産のアンコウにフグが混入し、健康被害が発生したことを受けて回収され、また、フィリピンの事例では、キャンディーやビスケットから有害物質のホルマリンが検出され、輸入を禁止しているという事例も報じられているところであります。我が国においても、中国産の冷凍サバから使用が禁止されている合成抗菌剤が検出され、また、枝豆から検出されてはならない農薬の検出が大きく報じられたところであります。
 こうした農産物や水産物は、従来は国内で生産されていた身近な食品や素材ですが、近年では多くが中国から輸入され、また、健康被害を生ずるおそれのある、さまざまな違反が頻発している状況と相まって、国民は大きな不安を持っていると私は確信しております。また、食品以外にも、ペットフードや歯磨き粉、子供のおもちゃなどの品質問題が報道され、さらに消費者の不安がかき立てられたところであると考えます。
 こうした事例が続く中で、輸入される食品、食材の安全性に対する国民の関心の高まりを受け、政府は、本年7月20日に「輸入品の安全確保に関する緊急官民合同会議」を開催し、食品など諸外国からの輸入品に関する安全性について、政府と民間が一体となって対策を講じていくこととしたところです。中でも、中国産の食品については、政府間で、中国の国内法に違反した食品の対日輸出の防止や、我が国の食品衛生法を遵守した食品輸出の確保などについて意見交換が行われ、今後、改善が図られていくことが期待されるところですが、中国に限らず、世界各国から食品、食材は輸入されており、その安全性を確保していくことは、国民、県民の食の安心を確保していく上で避けて通れない問題と考えております。
 そこで、知事に伺います。
 我が国の輸入食品の安全性確保について、どのような体制になっているのか、また、本県ではこうした輸入食品の安全性確保にどのように取り組み、県民の不安解消を図っているのか、知事のお考えを伺います。
 次に、県内産農産物の地産地消の取り組みについて伺います。
 中国からの輸入農産物の安全性が問題となっている中、農産物の安全に対する消費者の皆様の関心が大変高まっております。県内の各地域を回っておりますと、県民の皆様から、新鮮で安心な県内産農産物をもっと知りたい、そして購入して、おいしいうちに食べたいという声を多く聞いております。また、県内のだれがつくった農産物だということがわかれば、顔の見える農産物ということで、農産物の栽培履歴を聞かせてもらったり、生産現場を直接見に行くことができるわけでございまして、安心な農産物であるということをアピールできるのではないでしょうか。
 しかし、スーパーマーケットなどの量販店や一般の八百屋さんや果物屋さんなどの小売店の陳列棚を見ても、世界中から押し寄せる輸入農産物や他県産の大量な農産物に押されてしまい、神奈川県産の農産物を目にとどめることが少ないように思われます。確かに、産地表示が義務づけられ、他県産や輸入された農産物と一緒に神奈川県産の文字を見ることは時々あるのですが、埋没してしまっているという印象はぬぐえないものがございます。
 私といたしましては、まず県内の農業の現状や農産物の特色について県民の皆様に理解していただき、購入してもらうことが大切であり、県として、もっと県内産農産物のPRに努めていただくことが必要であると考えるところであります。また、県民の皆様に新鮮で安心な農産物をお届けするためにも、本県農業の振興を図る地産地消を推進することも重要と考えるところでございます。
 そこで、知事に伺います。
 県民の皆様に新鮮で安心な県内産農産物について知っていただき、積極的に購入していただくための取り組みについて、どのように考えておられるのか、知事のお考えを伺います。

 質問の第3は、環境問題についてです。
 気象庁が9月3日、この夏の天候のまとめを発表いたしました。全国153カ所の気象台と測候所のうち、半数以上の85カ所で35度以上の猛暑日の日数が平年を上回り、アメダスも含めた821地点のうち101地点で、それぞれの観測史上最高気温を更新したことがわかったとのことです。ことしの夏は非常に暑かったという印象ですが、データの上でも証明されているわけです。
 猛暑の中、新聞やテレビで、熱中症による死亡事故が毎日のように報道されていました。これが果たして地球温暖化によるものかどうかはわかりませんが、恐らく多くの県民が、この暑さを地球温暖化と結びつけて考えたことでありましょう。今や地球温暖化問題は、私たち共通の問題となっています。
 また、我が国は来年から5年間に、いわゆる京都議定書に基づき、CO2の排出量を基準年比で6%削減することが義務づけられているにもかかわらず、2005年度の総排出量は基準年と比べ7.8%も上回っており、このままでは京都議定書の削減目標の達成はとても困難という状況であります。
 そこで、本県の地球環境問題に関して、知事に何点か伺います。
 初めに、「かながわ地球環境保全推進会議」についてです。
 これまで、本県では早くから地域としての地球環境問題に取り組んできました。1992年6月に開催された地球サミットにおいて採択された持続可能な開発に向けた行動計画「アジェンダ21」を受け、1993年1月に我が国初のローカルアジェンダとして、「アジェンダ21かながわ」を採択し、このアジェンダに盛り込まれた取り組みを推進するために、県民、企業、団体、県内の自治体が一体となって、「かながわ地球環境保全推進会議」が設けられました。
 その後、主要先進国が中心となって地球温暖化防止に向けた京都議定書の締結など、国内外の重要な動きを踏まえ、2003年には新しいローカルアジェンダとして「新アジェンダ21かながわ」を採択し、さきの地球環境保全推進会議を通じ、広く県民に地球温暖化対策を初めとする環境に優しい行動を呼びかけていると承知しています。
 この推進会議は、県内の多くの経済団体や市民団体、すべての市町村など、100を超える団体で構成されている非常に大きな組織で、その中には、県民、企業、行政、実践行動の四つの部会があります。特に、県民部会には、環境関係はもちろん、教育や福祉を含め50以上の団体が加わり、これらの下に数多くの小さな団体が連なっているわけであります。
 しかし、こうした大きな組織は、ややもすると動きが停滞しがちですし、県民部会の場合は、構成メンバーも代表の方が毎年かわるなど、なかなか積み上げ型の事業展開が難しく、具体的に機能しにくい面があると聞いております。この推進会議がしっかりと機能し、温暖化対策に関する情報提供や省エネ活動などを呼びかければ、その傘下のさまざまな分野の団体や企業等にまで浸透することになり、温暖化対策にとっては大変大きな力になると考えます。
 そこで、知事にお尋ねします。
 この推進会議では、これまでに具体的にどのような成果を上げてきたと考えているのか、知事のお考えを伺います。
 次に、CO2削減の県民への働きかけについて伺います。
 県では今、地球温暖化対策を実効性あるものとするため、条例の検討を行っていると承知しています。条例をつくるわけでありますから、検討に当たっては、当然、県民、企業、各種団体などから十分に意見を聞き、そうした意見を反映させていかなければなりません。待ったなしの地球温暖化問題ですから、県内のさまざまな行動主体が知恵を出し合い、実効性のある施策を推進することが重要です。さらに、地球温暖化防止の行動を県民運動として盛り上げていくためには、どのような施策を展開するにしても、地球温暖化問題とはどういうことなのか、どういう行動をすることが温暖化防止につながるのか正しく知り、そして、それを実践、継続していただくことがまず大切です。
 先日、大阪で開催された世界陸上では、世界中から集まったトップアスリートたちが競い合い、私たちに大きな感動を与えてくれましたが、実はこの大会は環境に優しい大会としてもアピールされていました。大会組織委員会では、省エネやごみのリサイクル、緑化活動を行ったほか、テレビ放送に使う電力を、風力や太陽光など自然エネルギーによる発電の環境価値を証書化した「グリーン電力証書」を購入することにより賄う「CO2ゼロ放送」が実施されました。
 また、県民の間では、地球温暖化など地球環境保全に対する草の根の着実な活動が展開されています。その一つを紹介いたしますと、ペットボトルのキャップを集め、それをリサイクル業者に売って、そのお金を発展途上国向けのポリオやはしかのワクチン購入費用に充てようという活動です。地球環境に優しいリサイクルを実践し、世界の子供たちの命を救うという二重の目的を持ったこの運動には、多くの企業や学校が参加しており、また県内のNPO法人が全国に参加を呼びかけているものもあります。
 世界陸上の例にしても、また、キャップ集めの活動にしても、こうした取り組みは共通してその目的、方法において、極めてわかりやすかったり、参加しやすいという特徴があると思います。
 一方、県では温暖化対策の施策を展開するに当たっては、先ほどの「かながわ地球環境保全推進会議」のほかに、地球温暖化対策推進法に基づく各都道府県における温暖化対策の普及啓発を担う「神奈川県地球温暖化防止活動推進センター」があります。また、地球温暖化対策に取り組む熱意と知識のある方を、地域における温暖化対策の担い手として県知事が委嘱する「神奈川県地球温暖化防止活動推進員」が県内各地で活動をしております。
 このように幾つかの普及啓発の担い手が立ち上げられ、それぞれが県民への働きかけを行っていることは、ある意味で心強いのですが、反面、それらがばらばらに活動していると、その役割分担が見えず、県民にもわかりにくいという面があります。こうした仕組みがどう機能し、どう効果を上げているのか、知事も十分ご存じなのか疑問に思います。私は、地球温暖化の緊急性を考えると、今こそ、この仕組みがしっかりと連携して、だれもがわかりやすい施策を、わかりやすく働きかけていく必要があると考えます。
 そこで、知事に伺います。
 今後こうした仕組みをどのように生かし、県民に働きかけていくのか、知事のお考えをお伺いします。
 最後に、中小企業のCO2削減のインセンティブについて伺います。
 神奈川県では、毎年、温室効果ガスの排出推計を独自に行っていますが、それによれば、2004年の本県の二酸化炭素排出量は7,227万トンとなっており、我が国全体の排出量の5.6%を占めているとのことです。そのうち、製造業など産業部門からの排出が4割強と最も大きく、本県においては産業部門の動向は、二酸化炭素削減のかぎとなっていると言っても過言でないと思います。また、オフィスビル、病院など業務部門、家庭部門、運輸部門からの排出はいずれも十数%となっておりますが、基準年である1990年と比較すると、業務部門と家庭部門の増加が著しく、それぞれ44%、29%の増となっているとのことです。これに対し、産業部門の増加率はゼロと、省エネの努力が見て取れるわけでありますが、先ほども述べたように、依然、本県の排出量の大きな部分を占めていることから、県では新たな条例の検討に当たり、今後、産業部門に対し、一定の取り組みを求めていくことになるのではないかと思います。
 しかし、人材や資金力がある大企業であればともかく、数において圧倒的多数を占める中小企業にとっては、自分の工場がどの程度の二酸化炭素を排出しているかさえ、把握するのが難しいのが実態ではないでしょうか。ちなみに、東京都では、中小企業の資金調達を支援するため、2002年度から社債担保証券、いわゆる「CBO」を実施していますが、今年度は、これまでのCBOの参加要件に二酸化炭素削減という地球温暖化対策の視点を取り入れ、日本初の環境CBOを創設するとのことです。CBOは複数企業の社債をまとめて証券化し、一般投資家などに購入してもらう仕組みで、中小企業の資金調達手段ですが、中小企業の省エネを促すためには、このような幅広い支援策が必要ではないでしょうか。
 そこで、知事にお尋ねします。
 中小企業における地球温暖化対策を促進するために、本県としても何らかのバックアップをしていくべきと思いますが、知事の見解を伺います。
 以上で、私の第1回目の質問を終了いたします。
 ご清聴、まことにありがとうございました。


○知事(松沢成文)
 嶋村議員のご質問に順次お答えをいたします。
 まず、橋梁の高齢化対策についてのお尋ねがございました。
 議員お話しのとおり、本県においては、建設後50年以上のいわゆる「高齢橋」が今後急速に増加することから、橋梁の高齢化対策は緊急的かつ重要な課題であると認識しています。現在、県が管理する1,214橋のうち、約2割の298橋が高齢橋となっておりますが、20年後には約7割の847橋が高齢橋となる中で、今後、大規模な補修やかけかえの費用が集中的に発生することが見込まれております。かけかえの集中による財政負担を軽減しつつ、橋梁の安全性を確保するためには、損傷の状況を的確に把握、強化し、計画的な補修を行うことで、長寿命化を図ることが必要となってまいります。
 そこで、県では平成16年度から県が管理しているすべての橋梁について、橋げたや橋脚などの部材ごとに損傷の程度を判定する橋梁点検を進めており、長大橋などを優先し、平成18年度末までに304橋の点検を終えております。その結果を踏まえまして、緊急性の高い橋梁から優先的に補修工事を進めてきたところであります。残る910橋の点検につきましては、よりスピードを速め、平成20年度末を目途に完了させる予定でございますが、その後も全橋梁を対象に、繰り返し定期的に点検を実施することが大切と考えております。
 今後は、これまでのように損傷がかなり進んでから事後的に対処するのではなく、定期的な点検と予防保全的な補修を行うことで、橋梁の長寿命化と安全確保を図ってまいります。このような長寿命化を進めることにより、投資額の平準化や補修、かけかえにかかる総費用、いわゆる「ライフサイクルコスト」の縮減など、効率的な橋梁の維持管理に重点的に取り組んでまいります。
 次に、輸入食品の安全性確保についてのお尋ねがありました。
 まず、我が国の輸入食品の安全性確保につきましては、輸出国において残留農薬や添加物の基準など、日本の食品衛生関係法令に適合した農作物や加工食品を生産し、輸出していただくことが大切であります。このことから、厚生労働省では輸出国に対し、日本の食品衛生関係法令に関して情報提供するとともに、2国間協議等を通じて輸出国における衛生対策を協議するなど、国際的な取り組みを推進しております。
 また、食品の輸入時には、厚生労働省の検疫所が輸入者の届け出に基づき厳密な書類審査を行うとともに、輸出国や食品の種類等を考慮して計画的な検査を実施しております。これらのチェックによりまして、違反が確認された場合には、当該食品の積み戻しや廃棄等の措置を講じまして、水際での安全確保を図っております。
 さらに、輸入食品が国内に流通してからは、都道府県等が食品衛生法に基づく抜き取り検査や表示の点検を行い、万一、違反が発見された場合には販売禁止や回収等の措置が講じられているところであります。
 次に、本県の取り組みについてでございます。まず、県民の皆さんに安心して食生活を送っていただくために、毎年、食品衛生監視指導計画を定め、その中で輸入食品の衛生対策を重点事業と位置づけ、安全確保に努めております。
 具体的な監視指導に当たりましては、国や関係自治体と情報交換を行い、輸入食品の現状を把握した上で、例えば、残留農薬や添加物などの検査や食品表示の点検、あるいは輸入食品を取り扱う営業施設の監視などを重点的に実施しております。
 あわせて、県民の皆さんの不安を解消するためには、これらの安全性確保の取り組みについて、十分に理解していただくことが必要でありますので、監視指導計画の内容や検査結果の数値につきましては、県のホームページや情報誌等を通じて、県民の皆さんに積極的に情報提供しております。
 こうした取り組みに加えて、県民が食に対してどのような不安を持ち、輸入食品を取り扱う事業者や行政に何を望んでいるのかを把握し、相互理解を深め、食の安心につなげていくことが肝要であります。このため、「神奈川県食の安全・安心県民会議」や国と県、横浜市が共催する輸入食品シンポジウム等の機会を通じまして、県民の皆さんと事業者及び行政の間で幅広く情報や意見の交換をしていただいております。
 このようにさまざまな取り組みにより、引き続き輸入食品の安全性を確保し、今後とも県民の皆さんの不安を解消するように努めてまいります。
 次に、県内産農産物の地産地消の取り組みについてのお尋ねをいただきました。
 本県の農業は、消費地に近いというメリットを生かし、鮮度が重視される野菜や果物等の生産が中心となっております。また、近年では、より安全で安心な農作物を提供するため、化学肥料や農薬の使用量を減らした環境保全型農業や農薬使用履歴の記帳などを徹底する取り組みも進められております。さらに、神奈川ならではの特色ある農産物も生産されており、例えば、県が新たな品種として育成した柑橘類の「湘南ゴールド」や、ネギの「湘南一本」、畜産物では、県が品種改良した豚をもとにした「かながわ夢ポーク」などがございます。
 これらの県内産農産物を県民の皆様に知っていただき、購入していただくため、県と生産者団体などで構成する「かながわブランド振興協議会」では、すぐれた県内産農産物を「かながわブランド」として認定し、そのPRに努めております。特に昨年度からは、県内産農産物を積極的に取り扱うスーパーや飲食店を「かながわブランドサポート店」として登録する制度を開始したところでございます。さらに、県内の農業や農産物の情報を県民に提供する食と農の集い等の総合交流型イベントを通して、「かながわブランド」の普及に努めております。
 今後とも、このような取り組みを積極的に進めるとともに、生産者や生産地が表示され、安心して農産物を購入することのできる大型直売センターの整備支援など、さまざまな施策を実施することにより、地産地消の推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、地球温暖化対策について3点のお尋ねがございました。
 まず、「かながわ地球環境保全推進会議」の具体的な成果についてのお尋ねであります。
 この推進会議はお話しのように、「アジェンダ21かながわ」が採択された平成5年1月に環境に優しい取り組みを進めていく推進母体として設立され、県民、企業、行政の三つの部会を設けて活動をしてまいりました。その後、従来の取り組みだけでは具体的な行動の広がりにはつながりにくいとの反省から、より実践的な行動の輪を広げる新たな仕組みとして「マイアジェンダ制度」を設けました。この制度は、企業や団体、個人等が地球に優しい主体的な取り組みを私の実践行動として宣言し、その内容を登録するもので、推進会議では構成団体等を通じて参加を呼びかけ、本年8月末までで個人の登録者は5万件を超えるなどの成果を上げているところであります。
 「マイアジェンダ制度」以外にも、推進会議では、地球環境保全に向けた実践活動を促進するために、個人や団体を表彰する「かながわ地球環境賞」や次世代を担う子供たちを対象にポスターコンクール、自由研究・実践レポートコンクールなどを実施しております。
 地球環境賞はこれまで143件の表彰を行い、ポスターやレポートコンクールには、過去4年間で延べ1,543校から1万件を超える応募がございました。また、これらのコンクールの入賞作品は県内のすべての小中学校等に作品集や冊子としてお配りをし、環境問題に対する子供たちの取り組みや意識の向上に役立てていただいております。
 推進会議では、このように一定の成果を上げてまいりましたが、分野の異なる100を超える団体から構成されており、その傘下に個々の企業、団体が連なっているすそ野の広い会議でございます。県といたしましても、その役割に期待をしておりますが、全体の活性化を図るためには、さらなる工夫も必要であり、見直しを検討したいと考えております。例えば、企業部会のメンバーの皆さんに、経験を生かして環境教育の講師をお願いする、市町村の環境問題への取り組みを県民部会の団体に紹介するなど、推進会議のすそ野の広さを生かせるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、CO2削減に向けて県民の皆さんにどのように働きかけていくのか、お尋ねをいただきました。
 お話にございました普及啓発活動の担い手の一つである「神奈川地球温暖化防止活動推進員」の方々には、地元の町内会や小学校で講習会を開く、職場内で省エネ行動を呼びかけるなどの実践的な活動を行っていただいております。
 また、もう一つの普及啓発活動の担い手である「神奈川県地球温暖化防止活動推進センター」は、「新アジェンダ21」が策定された翌年、その検討委員会の有志が中心となって設立されたNPO法人を地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく県センターとして指定したものであります。この推進センターでは、国や県の委託を受けて普及啓発事業を展開するほか、推進員の資質向上のための研修などを実施しております。
 これまでも本県では、推進センターと推進員という二つの普及啓発の担い手と推進会議が連携して、「マイアジェンダ登録」や夏の軽装運動の呼びかけなどを行ってまいりました。さらに、地球環境問題を知っていただくためのイベント「アジェンダの日」についても、昨年度から協力して開催をしているところであります。しかしながら、地球温暖化問題はますます深刻化し、喫緊の課題となっており、CO2削減に向けて、県民一人一人がライフスタイルやビジネススタイルを大きく転換していくことが求められております。
 現在、県では新たな温暖化対策の検討を進めておりますが、今後は、まずマイバッグやエコドライブの普及、省エネ家電製品の購入促進など、県民の皆様の暮らしに結びついた活動をよりわかりやすく具体的に取り上げるとともに、県民がインターネット環境家計簿等を用いて家庭のエネルギー使用の実態を把握し、省エネ行動につなげていただくといった実践的な取り組みの展開も必要と考えております。
 こうした施策の実施に当たっては、推進会議、推進センター、推進員それぞれがしっかりと連携し、その機能を十分発揮していけるよう、それぞれのあり方についてもあわせて検討を行っていきたいと考えております。
 最後に、中小企業における地球温暖化対策の促進についてお尋ねをいただきました。
 まず、企業における地球温暖化対策は、事業活動等において、いかに効率的なエネルギー利用を図り、その消費量を削減していくかということが基本であると考えております。そのためには、まずみずからのエネルギー使用状況の把握が不可欠でございまして、大規模事業所においては、いわゆる「省エネ法」により国への報告義務があり、一定の対応がなされておりますが、中小規模の事業所については、そのような義務がございません。
 そこで、本県では、昨年度、中規模の製造業事業所のうち、2,000事業所を対象に、エネルギー消費や省エネ対応の実態等について調査を行ったところ、この調査で初めて事業所内のエネルギー消費量の把握を試みたという事業所もございました。温暖化対策の緊急性を考えれば、中小企業の皆様にも省エネ対策を実行していただくことが重要でございます。そのためにも、みずからのエネルギー消費の実態を把握し、省エネ行動につなげていくための環境マネジメントシステムの導入が第一歩であると考えております。
 このため、県では、本年3月に中小企業にも比較的導入しやすい環境マネジメントシステムである「エコアクション21」、「エコステージ」などの説明相談会を開催いたしました。また、本年8月からはインベスト神奈川の助成制度において、企業のCSR、社会的責任の取り組みを促進・支援する一環として、これら環境マネジメントシステムの認証取得の取り組み状況によって助成率に差を設けることといたしました。
 さらに、現在、県では学識者や県民代表等で構成される「神奈川県地球温暖化対策推進方策検討委員会」を立ち上げまして、条例案の策定や新たな温暖化対策の検討を進めておりますが、その中でも中小企業における省エネ対策は重要なテーマの一つとなっております。新たな対策としては、例えば、大企業からの技術移転や専門的アドバイザーの派遣といった仕組みのほか、省エネ投資を資金面から支援する制度なども考えられます。
 ただ、中小企業といっても、その規模や業種によって、エネルギー使用の状況や改善方法には大きな違いがございます。検討委員会の議論を踏まえ、県内の中小企業の状況に応じた効果的な取り組みや支援方策を引き続き検討してまいりたいと考えております。
 答弁は以上でございます。

○嶋村ただし議員
 知事におかれましては、ご答弁ありがとうございました。
 時間がございませんので、自席から失礼をさせていただきます。
 まず、高齢橋についてでございますが、県民のだれしもが、橋が自然に落ちるということは絶対に考えてはいないと思います。危険と思われれば、その前に対策が講じられるものと思い込んでいるのが県民の心理ではないでしょうか。そして、県、市、町、村、どこが管理しているかが問題ではなくて、橋梁としての機能を果たすための点検というものは、やはりされなければいけないと思います。県の管轄を含めて、県内にある橋梁について安全宣言ができるようにご指導をいただきたいと思います。
 また、市町村で抱える高齢橋、この修繕には、やはり予算が必要になってくるものと思われます。市町村の状況をよくお聞きいただいて、必要に応じて支援を検討していただければ幸いかと存じます。
 次に、食の安全についてですが、食の安全ということになれば、食の量に関係してくるとおのずから考えられます。農業政策というものがどうしてもついて回ると思われますので、生産者と消費者が納得する政策を推し進めていただきたいと要望いたします。
 最後に、環境問題についてでございますが、環境問題は10年20年で結果が出るものではないと思います。一日一日、一年一年の積み重ねが将来にいい結果を及ぼすものと考えるところでございますが、環境にかかわる取り組み、今何をしているかが大切で、それをどのように評価し、県民に伝えることができるか、これが県民にご協力をいただく一番の方法ではないかと考えます。県民の将来の幸せに向けまして、ぜひとも環境問題に対する政策を進めていただきたいと思います。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。



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