神奈川県議会 嶋村ただし(港北区選出・自民党)


Home
神奈川県議会 嶋村ただし(港北区選出・自民党)


本会議
2006年9月25日 平成18年9月・定例会
○嶋村ただし君
 議長のお許しをいただきましたので、私は自由民主党神奈川県議団の一員として、通告に従い、順次、提言を交えながら質問をいたします。
 知事並びに教育長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。
 また、先輩並びに同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間ご清聴のほど、よろしくお願いいたします。
 質問に先立ち、先週21日に「国旗日の丸、国歌君が代を教師に義務づけた東京都教育委員会の通達と校長の職務命令は違法」との東京地裁判決が下されたことについて、一言、所感を申し上げたいと思います。
 今後まだまだ司法の場で議論が続くことと思いますが、私は、国旗・国歌に対しては、学校現場において、自信をもって、十分に敬意を重んじる指導がなされますよう、この際、知事並びに教育長に要望しておきたいと思います。

 質問の第1は、IT環境についてであります。
 初めに、県民の利用向上に向けた取り組みについてお伺いします。
 本県では、これまで行政情報化プログラムに基づき、電子県庁の実現に向けた行政情報化の取り組みを進めてきたと承知しております。こうした取り組みの中で、昨年7月から、県民が直接利用するシステムである申請・届出等手続及び公共施設利用予約手続のオンラインシステムの稼動が開始されておりますが、このように広く県民が利用するシステムは、県民にとっていかに簡単で使いやすいものになっているかということが非常に重要であると思います。
 先般、外務省が進めてきたパスポートの電子申請システムについて、申請が極めて低調であることなどを理由に、9月末をもって本システムによる申請受付を停止することになったことが新聞報道されておりました。戸籍謄本などを別途郵送しなくてはならなかったことなど、申請手続が煩雑であったことが、利用が伸びなかった原因の一つであると推測されております。
 このシステムは、ほとんど利用されないのに毎年8億円以上の運用経費が必要となることから運用停止しましたが、多くの時間と経費を費やして構築したシステムを、利用勝手が悪く、利用率が低調なために、サービス提供を中止してしまうのは非常に残念であります。
 そこで、知事にお伺いします。
 本県で推進している申請・届出等手続及び公共施設利用予約手続のオンライン化について、システムの利用状況や成果を踏まえ、利用者側から見たシステムの使いやすさといった点についてどのように考えているのか、また、稼動後1年以上が経過する中で、一層の利用の向上に向けて、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、知事のご所見をお伺いします。
 次に、情報システムの質の向上に向けた取り組みについてお伺いします。
 社会・経済状況の変化や県民ニーズの多様化が進む中、少ない職員により多様で質の高い行政を展開するためには、ITを効果的に活用した行政サービスを推進していく必要があると思います。
 本県では、業務の効率化や高度化などを図るために、情報システムの開発、導入が多く行われていることと考えます。しかし、これらの、いわゆる「業務のシステム化」は、計画時や開発時の評価や管理などがしっかりしていないと、当初の想定に反しシステムが十分に利用されなかったり、また、システムを導入したことによってかえって業務に手間がかかってしまうなど、結果として、情報化の経費に見合う効果が得られないシステムを導入してしまうこととなるおそれもあります。
 このことは、先ほど申し上げたパスポートの電子申請についても言えることであります。毎年8億円以上のランニングコストが必要となるこのシステムを、これ以上運用せずに利用停止に踏み切った判断は、システム利用を開始してしまってからの判断としては、ある意味で英断であったとも言えます。しかしながら、開発費やこれまでの労力を考えると、そもそも計画時や開発時に十分な評価を行い、もっと早い時期に気がつくべきであったと考えます。
 本県では、パスポートの電子申請システムは幸いなことに導入しておりませんでしたが、この事業を対岸の火事と見るのではなく、県の情報システム開発においても利用者の利便性をよく考えて判断する必要があると考えます。
 そこで、知事にお伺いします。
 ITを活用した行政サービスが効果的、効率的に行われるよう、庁内の情報システムの質の向上に向けてどのように取り組んでいこうとしているのか、ご所見をお伺いします。
 次に、庁内における情報セキュリティへの取り組みについてお伺いします。
 先ごろ、民間調査会社などによる共同研究会が行った、自治体の情報セキュリティに関するアンケートの結果が発表になりました。その結果によると、自治体にとって最も深刻な懸念は、「情報セキュリティに関する職員の低い意識」であるとのことでした。行政情報化を推進するためには、機器やシステムの整備は無論必要ですが、情報セキュリティへの取り組みは、忘れてはならない極めて重要な問題であると考えます。
 本県では、庁内における情報セキュリティへの取り組みとして、平成15年3月に情報セキュリティポリシーを策定し、それに基づいた取り組みを行っております。しかし、庁内では数多くの情報システムが稼動しており、それぞれの所属で個別にサーバーを管理し、個別のシステムを運用していくこともあると伺っております。この場合にはサーバーを通常の事務室に設置し、運用していることもあると思います。そうした場合は、サーバーそのものの盗難などによる情報流出の危険性もはらんでおり、セキュリティの面で心配な点もあると考えます。
 近年、民間ではサーバーの統合や、ICカードの導入による利用者確認の強化などにより、セキュリティの強化を図る動きがありますが、一般に、国や自治体の取り組みは、民間のそれと比べかなりおくれていると言わざるを得ません。
 先ごろ、本県はマイクロソフト社と、県内における、ITを活用した産業振興に関し、互いに協力して取り組むことに合意し、両者で覚書を締結したとの記者発表がなされました。その事業協力の内容として、中小企業などに向けた情報セキュリティの普及啓発などが含まれております。
 私は、県内産業振興の視点から、中小企業を支援するのは当然必要なことと考えますが、まず知事は、自分の足元である県庁内の情報セキュリティについて、もっと目を向ける必要があると考えます。情報セキュリティの強化には、多くの費用と労力が伴うことは承知しておりますが、一度事故が起きてからではおそいのであります。本県においても早急にリスクを想定して、しっかりとセキュリティ対策に取り組んでいくべきと考えます。
 そこで、知事にお伺いします。
 現状の庁内における情報セキュリティ対策について、どのような課題があり、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、知事のご所見を伺います。

  質問の第2は、環境問題についてであります。
  初めに、マイアジェンダ制度についてお伺いします。
  昨年2月に京都議定書が発効したことにより、温室効果ガス削減に向けた取り組みはまさしく「待ったなし」の状況にあります。ちょうど1年前、9月定例会における一般質問の中でも触れさせていただきましたが、2003年10月に採択された「新アジェンダ21かながわ」に盛り込まれた「マイアジェンダ制度」は、当初、県民の皆様になかなか浸透していなかったようですが、平成17年6月に、より登録しやすい「もったいないバージョン」を設けてその普及に努めたところ、個人のマイアジェンダ登録者が急激に増加し、8月末現在で個人登録は4万7,000件を超えたと聞いております。
  しかしながら、これまでのところ、マイアジェンダ登録を行った方々が実際にどのような取り組みを行い、その結果どのような成果が得られたかということを把握するシステムはできていないと聞いております。私は、この運動を継続し、拡大するためには、登録いただいた皆様が、楽しみながら、それぞれの数値目標に向けて取り組み、成果が具体的に実感できるようにするなど、登録者が達成感を得られるような仕組みが必要だと考えています。
  そこで、知事にお伺いします。
  県としては、マイアジェンダ登録をしていただいた皆様に、登録した取り組みを着実かつ継続して実践していただくために、どのような方策を考えているのか、知事のご所見をお伺いします。
  次に、新エネルギーの導入促進についてお伺いします。
  県は、平成15年3月に「かながわ新エネルギービジョン」を策定し、新エネルギーは地球温暖化防止対策の有効な方策の一つであること、地域分散型エネルギーとして災害時に対応ができること、エネルギー供給構造の多様化が図れること、そして産業振興・地域振興・雇用拡大への展開が見込まれることから、導入促進を図ることとしております。また、導入対象の新エネルギーとして、太陽光、風力、小水力、バイオマスなど10種類のエネルギーを選び、県内の、地域ごとの異なる状況を踏まえて、それぞれの地域特性に応じたエネルギーを、県、市町村、事業者、県民、市民団体との連携と協働により導入を進めていくこととしております。
 10種類の新エネルギーの中で、本県に最も適した新エネルギーは、太陽光ではないかと考えております。「選択と集中」という観点からも、当面、太陽光に絞って導入を進めていくべきではないでしょうか。
 最近のエネルギーに関する話題といえば、先ごろの首都圏における大停電は記憶に新しい出来事であります。電気が長時間使えないことに、だれもが、あり得ないと考えている中で、テロかと思わせるほどの事態に、マスコミの報道はこの事件で埋め尽くされました。そして電気に関する危機管理が話題となりました。
 また、原油価格の高騰が身近な生活に大きなダメージを与え、じわじわとその影響を受け、思わぬ出費に戸惑いを隠せない複雑な心境ではないでしょうか。
 このような事態が発生している中、新エネルギーに対する期待感は将来に向けて広がりを見せており、導入普及の取り組みはどうなっているのかなど、私の身の周りでも話題となることがしばしばであります。
 県では新エネルギーの導入促進のために、これまでさまざまな普及啓発や県施設への率先導入を行っていますが、その一つに、太陽光発電システムの率先導入によるユニークな取り組みがございます。「かながわボランタリー活動推進基金21」協働事業負担金により、NPOと県との協働で、学校への太陽光発電システムの導入を進め、その学校を、地域における環境教育の拠点、「地球温暖化対策地域学習センター」として活用していくという事業でございます。
 先日、県立三浦臨海高校で太陽光発電システムを見学してきましたが、エコ委員の生徒が終始説明を担当し、頼もしい限りでございました。近隣の小中学校も新エネルギーを「遊び感覚」で体験し、大変好評と聞いています。この学校と地域から、新エネルギーにかかわる人材が、10年後、20年後に育つことを楽しみに、NPOを初め、教員、PTA、そして地域の方々の取り組みとして普及することを期待しています。
 この事業は、ただいま申し上げたように、環境教育という面で大きな成果を上げておりますが、中でも海老名高校に設置された太陽光発電システムは10キロワットのものであり、地域分散型エネルギーとして、災害等への対応も期待できますので、防災対策の面からも極めて意義ある取り組みだと考えております。
 知事は、この9月定例会の提案説明で、「地球温暖化問題は、21世紀に人類が解決すべき最大の問題である、そして地球温暖化の防止などの有効な対応策としてガソリン車から電気自動車への代替が欠かせない、そこで、電気自動車の本格的な開発、普及啓発に全力をあげて取り組む」と力説され、電気自動車購入時の自動車取得税の減免や補助金の対応を打ち出されました。この際、住宅への太陽光発電普及のための減税措置もあわせてご検討してはどうかと思います。さぞかし、環境問題に対し効果のある事業であると注目されることと思いますが、そもそも地球温暖化問題は、人類における意識改革が重要な問題であり、次世代への環境教育は欠かせないと考えます。すなわち、CO2削減の施策は大切ですが、私は、将来を担う子供たちに環境教育を進めることが、20年後、30年後の地球環境に貢献する人材と、環境に対する意識が備わった人間を育てることにつながるのではないかと考えます。
 したがって、これまで進めてきた「地球温暖化対策地域学習センター」などを活用した環境教育の推進や、県施設への太陽光発電の導入などの施策を着実に推進すべきであると考えます。
 そこで、知事に伺います。
 これまでNPOと協働して取り組んできた「地球温暖化対策地域学習センター」をどのように評価し、今後どのように展開していこうと考えているのか、また、太陽光発電システムの県施設への導入についてどのように考えておられるのか、知事のご所見をお伺いします。

 質問の第3は、旧吉田茂邸の保存についてであります。
 大磯町は、明治時代から政財界要人や文化人の別荘地、保養地として発展し、現在でも、往時の建築技術の粋を凝らした和洋の近代建築物と緑多い庭園がまとまって連なるエリアを形成しております。
 その中にあって旧吉田茂邸は、元芸術院会員、吉田五十八が設計し、広さ3万平方メートルの緑豊かな敷地に囲まれているとともに、我が国の国際社会への復帰と繁栄の礎を築いた吉田 茂元首相が亡くなるまで、多くの政財界人が訪れ、重要な決定がなされた戦後政治史の舞台であり、その歴史的価値と、首都圏に残された貴重な緑としての価値は非常に高いものがあります。しかしながら、近年、企業の合理化等によりさまざまな歴史的建築物が失われている中で、旧吉田茂邸も、その存続が危ぶまれている状況にあります。
 このような中、旧吉田茂邸の保存については、昨年11月17日に、知事及び大磯町長が迎賓館的施設として整備・活用の要望を国に提出し、さらに、3月には地元の大磯町区長連絡協議会や大磯町商工会などが5万人を超える署名を集め、関係機関に対し要望を行ったところであります。
 また、この問題については、本県議会においても12月定例会で旧吉田茂邸の整備・保全を求める意見書を採択し、関係機関に提出したところであり、我が党の古沢時衛議員が、先般、2月定例会の代表質問でこの問題を取り上げたところであります。
 このような要望を踏まえ、国における保存・活用の調査結果が先般、内閣官房において取りまとめられ、8月、本県に伝えられたとのことでありますが、新聞等によると、国による旧吉田茂邸の保存・活用は極めて困難であるとの報道がなされております。
 そこで、知事に伺います。
 国における保存・活用が困難との報告を受けた中にあって、県として、今後、旧吉田茂邸の保存・活用についてどのように取り組んでいくのか、知事のご所見を伺います。

 質問の第4は、教育問題についてであります。
 まず、学校と地域の連携への教師のかかわりについてお伺いいたします。
 先週、横浜文化賞、文化・芸術奨励賞の発表があり、プロ将棋、瀬川四段が受賞されました。私と瀬川四段とは、サラリーマン時代、同じ会社に勤務する社員であり、後輩であります。瀬川四段は61年ぶりのプロ将棋編入試験に合格という偉業を達成しましたが、そこに至るまでの道のりは大変なものであったと著書に書かれています。
 編入試験の初戦に破れた際、その失意の中で彼を救ったのは1通の手紙であったそうです。その手紙の差出人は小学校5年生の女性担任で、この手紙がなければ編入試験にも失敗していたかもしれないとまで表現しています。瀬川さんと先生の信頼関係が、人生の岐路において、大きな力となり、実力を出し切ったものと感銘しました。生徒と教師の関係などを考える上で、非常に多くの示唆を含む逸話だと思います。
 私は、子供の心を育てるために、学校と、家庭や地域との連携は必須だと考えます。その際、地域のコミュニティー形成の拠点としての学校、また、キーパーソンとして先生方の果たす役割は非常に重要だと考えます。
 私は、地域で、小中学生と大人がともに感動し、楽しめる映画会を開催しております。感動を共有し、涙している姿を目にするたびに、こうした体験を多く積ませたいと思う中で、とりわけ中学生の参加をふやしたいと思っております。子供たちが勉強や部活動で忙しいことは承知しておりますが、そこで得られない体験や感動が得られるものと思っています。
 そうした場へ子供たちが参加する際、担任の先生や部活動の顧問の先生の呼びかけは絶大なものがあります。また、呼びかけただけにとどまらず、先生方がともに参加していただくことが、地域と子供たちとの心のつながりが築けるものと考えております。
 私は、そうした地域との連携の重要性は、決して子供にだけ還元されるものではなく、子供の地域参加を通して学校へも還元されるものととらえております。
 ただ、残念なことは、地域の行事等へ参加する教職員は、校長先生を初めとした一部の先生に限られているのが実情であります。先ほども触れたことではありますが、学校では、部活動を初めとして、さまざま、教育活動で日々忙しい時間を過ごしていることは十分承知しておりますが、先生方の果たす役割は大変大きいので、ぜひ多くの先生方に積極的に地域へ出てきてほしいと考えます。
 そこで、教育長にお伺いします。
 神奈川県教育委員会として、学校と地域の連携への教師のかかわりについて、現状認識を含め、ご所見をお伺いします。
 次に、小中学校の連携についてお伺いします。
 先日、常任委員会の調査で、品川区の小中一貫校である日野学園を視察しました。まだ幼さの残る1年生から半分大人びた中学3年生まで、年齢差の大きい子供たちが一緒に過ごしている様子を拝見し、学習面でも生活面でも、子供たちの人間としての成長に大きな期待が持てるように思えました。
 日野学園では、小学校と中学校の教職員が、共通の教育目標のもとで継続的に一貫性のある指導を行い、調和のとれた個性豊かな人間の育成を目指しております。今、大きな課題となっている不登校問題でも、いわゆる「中1ギャップ」ということが言われておりますが、こうした小中一貫教育の滑らかな連携が図られることにより、解決につながることと期待しております。
 日野学園では、構造改革特区により、従来の6・3制ではなく4・3・2年のまとまりで教育課程を編成するなど、柔軟で系統性のある教育活動が展開されており、特に小学校1年生からの英語の指導や、道徳、特別活動、総合的な学習の時間をあわせて豊かな市民性を育てる新たな教科を設けるなど、一貫校としての特色を生かしたダイナミックな教育が展開されておりました。
 こうした品川区での取り組みは、小中一貫教育を研究・開発している自治体や学校等から、その成果等について注目を浴びていることと思います。
 そこで、教育長にお伺いします。
 現在のところ、小中一貫校については学校教育上の位置づけはなく、市町村による構造改革特区や文部科学省の研究開発校による取り組みにより推進されております。また、独自のカリキュラムの編成や校舎の建築という、ソフト、ハードの両面の整備が必要であり、特に、都市部の、児童・生徒数の多い学校での実施は、大規模化が想定され、実現は難しい面もあることは承知しております。
 しかしながら、この理念を生かす取り組みとしては、小中連携など、現行の枠組みの中でもできる取り組みがあると考えますが、小中連携の現状と、小中連携についてどのように考えているのか、教育長のご所見をお伺いします。
 以上で私の第1回目の質問を終了いたします。
 ご清聴まことにありがとうございました。

○知事(松沢成文君)
 嶋村議員のご質問に順次お答えをいたします。
 初めに、IT環境について幾つかお尋ねをいただきました。
 まず、電子申請・届出システムや公共施設利用予約システムにつきまして、これまでの利用状況や成果を踏まえた、システムの使いやすさの考え方と、一層の利用向上に向けた取り組みについてお尋ねをいただきました。
 県への申請・届出と施設利用予約の利用状況でございますが、昨年7月から本年8月末までの1年余りで、二つのシステムの利用件数は約48万件となっております。この利用件数は、添付書類を別途郵送する必要がないなど煩雑にならず、もともと総件数も多い手続から優先的に電子化したことによる成果であると考えております。
 しかし、システムの使いやすさという面におきましては、改善していく必要もあるとも考えております。このため、これまでにも、利用者の皆様からいただいたご意見を受けまして、例えば画面の構成や、操作方法などを改善してまいりました。
 今後も利用者の皆様の声を大切にしていくとともに、使いやすさに配慮した電子化する手続の拡大に取り組んでまいります。また、ポスターを初め、県のたよりやホームページの活用、さらには窓口でのチラシの配付など、きめ細かな広報を行い、システムへのご理解とご利用をお願いしてまいりたいと考えております。
 さらに、このシステムは市町村との共同で運営しておりますので、市町村の方々ともお互いに知恵を出し合いながら、サービスの充実に努め、一層の利用向上を図ってまいりたいと考えております。
 次に、庁内の情報システムの質の向上に向けた取り組みについてでございます。
 議員ご指摘のとおり、十分に利用され、経費に見合う効果が得られる情報システムを導入するためには、計画や開発の段階で、十分な検討と適切な評価を行うことが大変重要なことと考えております。このため、本県では、副知事をトップとする「神奈川県高度情報化推進会議」を設置しまして、導入する情報システムについて、事前の評価、調整を行っております。具体的には、人事、行革、財政、政策及び情報システムの各分野で構成する検討組織における評価に基づいて、神奈川県高度情報化推進会議で推進方法を決定しております。
 評価の視点につきましては、システム化の必要性や実現性、実際に効果は上がるのか、その効果は費用に見合ったものとなっているのかを主なものとしております。また、効果の見込めない事業案などにつきましては、この評価や調整の過程におきまして、開発の着手を見送るなど、情報システムの質の向上に努めているところでございます。
 一方、県におきましては、システム開発のほとんどは民間事業者への委託により行っておりますので、効果的、効率的なシステムを導入するには、業務要件の明確化はもとより、開発段階においても、プロジェクト管理など発注者としての責任を果たすことが不可欠であります。そこで、今後の取り組みといたしましては、現行の評価の仕組みの充実とあわせまして、システムの調達や開発のためのガイドラインの策定、情報システム部門の指導・助言体制の強化などにより、導入する情報システムの一層の質の向上に取り組んでまいりたいと存じます。
 次に、庁内の情報セキュリティ対策についての課題と今後の取り組みについてでございます。
 現在、情報システムは、日々業務を遂行する上で欠かせないものとなっておりますが、情報漏えいを防止するなどの情報セキュリティ対策は極めて重要であると認識しております。このため、本県におきましては、平成15年度に情報セキュリティの統一的な方針を定めた「神奈川県情報セキュリティポリシー」を策定しまして、県が保有する情報やシステムについて、外部からの不正なアクセスなどのリスクを明確にして、セキュリティ確保のための取り組みを進めてまいりました。
 しかし、議員のお話にもありましたように、庁内で稼動するシステムの中には、サーバー等の機器をそれぞれの所属で個別に管理運営しているものがございます。また、システムを利用する際の利用者確認の方法も、技術の進歩に合わせて見直しを行い、セキュリティ強化を図っていく必要がございます。さらに、職員一人一人の情報セキュリティに対する意識の向上を図ることが重要なことであるとも認識をしております。
 このため、県では、本年3月に策定いたしました「行政情報化指針」のもとに、庁内の情報セキュリティの確保に必要不可欠な対策の検討をしております。具体的な内容といたしましては、庁内に分散しておりますサーバー等の機器をセキュリティの高い庁内のコンピューターセンターに集約することや、利用者確認の方法の見直しを行うことなどでございます。また、階層別研修や事故・不祥事防止研修などの中で、現在、取り組んでおりますセキュリティ研修の充実により、職員の一層の意識向上に取り組んでおります。こうした取り組みをしていくことによって、引き続きセキュリティ確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、環境問題について2点ご質問をいただきました。
 まず、アジェンダ登録していただいた皆様に、登録した取り組みを着実かつ継続して実践していただくための方策についてでございます。
 マイアジェンダ登録の目的は、登録者が、登録を契機として、地球環境にやさしい取り組みを実践し、二酸化炭素削減など具体的な成果を出すことでございます。このため登録者には、これまでも、家庭で取り組みやすい省エネ方策など、取り組みの実践につながる情報の提供に努めてまいりましたが、この4月からは「アジェンダ通信」と名づけたメールニュースの配信も始めたところでございます。
 しかし、目的の達成には、議員ご指摘のとおり、実践の成果が実感できる工夫など、新たな仕組みを付加していく必要があろうかと考えております。
 例えば、現在、個人のマイアジェンダの登録項目には、エネルギー消費量の削減目標など数値目標はございませんが、希望者には、インターネットで自分専用の画面にこれを入力できるようにする、そして毎月のエネルギー消費量を入力していただき、それを集計して取り組みの成果を把握するといった、インターネット版「環境家計簿」方式が考えられます。この環境家計簿につきましては、昨年来、検討を進めているところですが、より機能性を高めるため、モニター家庭を募集して、エネルギー消費量などの基礎的な情報を提供していただき、その情報から世帯タイプ別のエネルギー消費量の目安を設定し、お示しすることも考えております。登録者にはそれを参考に削減目標を立てていただき、その目標と実績を比較することで「我が家は頑張っているな」とか「もっと頑張らなければ」などと実感していただく、こういうことも重要だと思います。
 こうした環境家計簿と世帯タイプ別エネルギー消費量の目安の設定について、引き続き検討を行い、マイアジェンダ登録の目的が達成されるよう努めてまいります。
 次に、地球温暖化対策地域学習センターの評価と今後の展開、また、太陽光発電システムの県施設への導入についてのお尋ねがございました。
 議員お話のように、「かながわボランタリー活動推進基金21」協働事業負担金により、学校では、小田原市立の大窪小学校、県立三浦臨海高校、県立海老名高校の3校に、太陽光発電システムを導入し、「地球温暖化対策地域学習センター」として、児童・生徒への環境学習や地域住民への体験教室などに活用をしております。例えば議員が訪問された三浦臨海高校では、まず、生徒や地域の皆様を対象とした学習会を開催する。次に、そこに参加した生徒が講師となって、親子体験教室を開催し、子供たちに新エネルギーや地球温暖化を知ってもらおうという取り組みも行っております。
 私もウィークリー知事現場訪問で視察をしておりますが、このように、これら3校では、その地域に密着した取り組みを実施しており、そこで学ぶ児童・生徒だけでなく、保護者や地域の皆様の中に、地球温暖化対策地域学習センターとして根づきつつあります。
 本年度は県立大清水高校及び平恷s立勝原小学校に設置を予定しておりますが、神奈川ボランタリー活動推進基金21協働事業には5年間という時限がございますので、この事業は来年度で終了することとなります。その後はさまざまな手法を検討し、地球温暖化対策地域学習センターを広く全県に展開できるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、太陽光発電システムの県施設への率先導入でございますが、かながわ新エネルギービジョンでは、施設整備等を行う新規プロジェクトだけでなく、既存施設についても、改築時等における新エネルギー導入の具体化の検討や、省エネルギー及び普及啓発とあわせた導入に努めることとされております。
 そこで、ビジョン策定後、これまでに寒川浄水場の120キロワットの大型システムなど、8施設に合計約153キロワットの太陽光発電システムを導入しているところでございますが、今後もこの方針に沿って、県施設への新エネルギーの率先導入に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、旧吉田茂邸の保存・活用について、県として今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねをいただきました。
 旧吉田邸の保存・活用につきましては、先般、国の検討結果が出され、国の迎賓施設として保存・活用することが極めて困難であること、また、保存・活用の方策の一つとして公園化することが考えられることなどが示されました。
 これまで県も地元、大磯町とともに、県議会のご支援もいただきながら、国による保存・活用に向け強く働きかけてまいりましたが、こうした結果になったことについては大変残念であると考えております。しかし、県議会からの国に対する旧吉田茂邸の整備・保全を求める意見書の提出や、さらには県民の皆様の5万人を超える、保存に関しての署名は大変重く受けとめさせていただいております。
 旧吉田邸は、議員からもお話がございましたように、その歴史的、文化的な価値は言うに及ばず、海岸沿いに約1万坪に及ぶ緑豊かな庭園を擁し、施設公開の際には、地元の方々ばかりではなく、県内外からたくさんの皆様が訪れております。こうした相模湾沿岸を代表する歴史的地域資源である旧吉田邸を保存し、後世に伝えることは、県としても大変重要な課題であると認識をしております。
 そこで、国の検討結果を踏まえ、地元の大磯町とともに保存・活用方針の検討を進めてまいりましたが、この間、所有者からは、企業の社会的貢献の観点からも、県や町の事業に協力し、旧吉田邸の建物部分を県へ寄附してもよいとのお話もいただいているところでございます。
 こうしたことから、国の補助制度も活用し、隣接する大磯城山公園と一体化し、県立都市公園として整備する方向で進めてまいりたいと考えております。今後、大磯町や地元の皆様などとともに検討組織を設けて、また、県議会の皆様からのご意見もいただきながら、具体化に向けた検討を進めてまいります。
 私からの答弁は、以上でございます。

○教育長(引地孝一君)
 教育関係について、お答えいたします。
 まず、学校と地域の連携への教師のかかわりについてお尋ねをいただきました。
 子供たちが確かな学力を身につけ、社会性をはぐくみ、心豊かに自分の人生をしっかり歩む力をつけるためには、学校が、地域や家庭と一体となって、子供たちを育てることが重要であると考えております。
 そのためには、学校と地域が双方向でかかわっていくことが大切と考えますが、まずは地域の方々に学校をもっとよく知ってもらいたいという考えのもと、県内の公立学校を一斉に公開する「学校へ行こう週間」を設定するなど、開かれた学校づくりに積極的に取り組んできたところでございます。その結果、地域の方々との協力関係が深まりまして、例えば部活動の指導者として、あるいは授業のゲストティーチャーとしてなど、さまざまな形で多くの地域の方々にご協力いただくことができるようになってまいりました。
 しかしながら、議員のお話にもございましたように、学校が地域に出ていくという面につきましては、地域の活動に対して教職員が積極的に協力する姿勢に乏しいのではないかといった声を耳にすることもございます。これからの学校は、地域の中の学校であることを自覚し、校長のリーダーシップとパートナーシップのもと、教職員が地域の活動に積極的に参加するなどの取り組みが大切であると認識しております。
 また、こうした取り組みは県立学校だけではなく、小中学校でも大切でございますので、市町村教育委員会とも連携いたしまして、地域や家庭から信頼される、より開かれた学校づくりに努めてまいりたいと考えております。
 次に、小中連携についてのお尋ねがございました。
 お話にございました小中一貫校でございますが、そのねらいは、9年間の一貫した指導により、子供たちの個性、能力を伸ばす教育を、柔軟に、かつ系統的に継続して行うことにございます。その結果として、議員ご指摘のとおり、小学校高学年から中学校へ移行する際に増加する、いわゆる「中1ギャップ」と言われる、不登校などの諸問題への対応が容易になるといったメリットがございますが、設置に当たりましては、施設面や教育課程編成の整備等、さまざまな課題があるところでございます。
 一方、小中学校では、小中一貫教育とはいかないまでも、それぞれのよさを生かした交流・連携の取り組みが行われております。
 例えば、中学校のブラスバンド部の生徒が小学校の鼓笛隊の指導をしたり、中学生と小学生が地域の清掃活動を一緒に実施するなど、さまざまな交流活動を行っております。そうした活動を通しまして、互いに思いやる心や協力し合う心をはぐくむことができますし、中学生にとっては、リーダーシップの発揮や責任感を高めることにも役立っております。
 また、小中学校の教職員が、日ごろから連携しておりますので、子供の課題を共有しながら、継続した指導を行うことも可能になっております。
 このように、小中学校の交流・連携はさまざまなメリットがございますので、県教育委員会といたしましては、引き続き市町村教育委員会に働きかけながら、小中学校における、継続的、系統的な指導が推進されるように努めてまいります。
 以上でございます。

○嶋村ただし君 自席からの発言をお許しいただきたいと思います。
 知事、教育長におきましては、ご答弁ありがとうございました。
 まず、IT環境についてでございますが、パスポート申請の事例を出させていただきました。これはe-Japanの関係で外務省がやったシステムでございます。幸いにして本県では、被害がないということはないんですが、県民に対する迷惑感というのはなかったので安心感を持たせていただきましたが、来年早々に、今度は総務省主導で政治資金規制法の関係届出、我々が出す書類でございますが、やはり同じような仕組みで来年早々からスタートをいたします。これも総務省の関係で、e-Japanというふうに聞いております。同じ仕組みであるということは、二の舞を踏まなければいいがなというような心配をしているところでございます。
 知事も、精査をしてというような取り組みの姿勢を見せていただいております。原局とともに、こういったシステムが、県民に迷惑感がないようにしていただきたい、そのように考えます。
 また、セキュリティに関しましては、ご承知いただいているように、情報セキュリティの問題というのは、いつ起きるかわからない状況にあります。やはりガードを固めるということが一番であると思いますので、事故が起きる前に関係各省庁と議論をしていただき、予防していただくような取り組みを重ねていただきたいと思います。
 そして、環境問題についてなんですが、地域学習センター、私も見させていただきまして、大変生き生きと生徒さんたちがこの活動に取り組んでいました。知事からも、前向きに検討をしていただけるというようなお言葉をいただいたと承知をしております。
 やはりこういった環境問題というのは、私もお話しをさせていただいた中で、即効性のあるものというのは幾つかあると思うんですが、やはり今の子供たちに、どういうふうにしたら環境がよくなるんだという、地道な教育というのが将来の日本に影響するものと思っておりますので、こういった取り組みというのはぜひとも続けていただきたい、そのように考えております。
 そして、吉田茂邸に関してでございますが、一定の方針をいただきました。今後の保存・活用に向けて取り組んでいただきたいということをお願いをしたいと思います。
 教育問題につきましては、常任委員会の方で再び議論を重ねてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で私の質問を終わります。



後援会
事務所
メール

自由民主党・本部
詳細


 
Copyright(C) 2009 嶋村ただし All Rights Reserved.