神奈川県議会 嶋村ただし(港北区選出・自民党)


Home
神奈川県議会 嶋村ただし(港北区選出・自民党)


本会議
2004年9月28日 平成16年9月・定例会
○嶋村ただし君
 議長のお許しをいただきましたので、私は自由民主党県議団の一員として、通告に従い、順次ハッスルして質問をさせていただきます。
 知事、教育長並びに警察本部長におかれましては、気合を入れた明快なご答弁をお願い申し上げます。
 また、先輩並びに同僚議員におかれましては、しばらくご清聴のほど、よろしくお願いいたします。

 質問の第1は、IT環境の整備についてお伺いいたします。
 私は、議員に当選する以前はIT企業に勤めていました。尊敬する新堀議長も同様のご経験がおありとお聞きしております。
 今、IT企業はプロ野球参入に手を挙げ、日本全国で大変注目される存在となりました。IT企業に地域貢献や地域密着を行政と対等に取り扱われる場面があったでしょうか。今やIT企業は、歴史こそ浅い業界でありますが、短期間に力をつけ、自社の存在を公開し、縁の下の力持ちから看板となる存在になろうとしています。
 そんな期待を大いにわかせる将来のIT環境について、行政全体としての骨格が見えないと感じているのは私だけではないと思います。行政改革の隠し玉として、日の目を見る位置づけに押し上げたい気持ちから、質問に入らせていただきます。
 最初に、電子自治体の実現に向けた取り組みについてお尋ねいたします。
 今月2日に、県と県内の34市町村で構成される神奈川県市町村電子自治体共同運営協議会が設立され、県内の自治体が足並みをそろえて、県民、企業の皆さんが安心して自宅や職場などからインターネットを利用して行政手続ができる電子自治体の実現に向けての取り組みが進められることとなりました。県民生活の利便性の向上と行政事務の簡素化、効率化を図るために、申請・届け出、施設予約の手続の電子化のためのシステムと、こうしたシステムの基盤となる共同運営センターの整備を進めておりますが、様式や手続等の統一化や簡素化を図るなど、利用者にとって使いやすいシステムを構築することが肝要であり、多くの県民、企業に利用されることにより初めて行政事務の効率化を推進できるのではないかと考えます。
 現在、国が行っているインターネットを利用した電子申請の手続においては、利用率が1%にも達していないとの国の調査結果も出されています。今後、多くのシステムが稼働していくことが想定されますが、利用率の向上こそが行政改革に直接はね返ってくるものであると考えます。これからは、単なる利用者のメリットや申請方法の選択肢をふやすことだけにとどまらず、県民のメリットが利用率の向上につながり、利用率の向上が行政改革のエネルギーになることを十分に認識し、利用率を向上させることを行政改革の最先端に位置づけることが必要ではないでしょうか。
 すなわちインターネットの申請が増加することで行政事務の効率化と事務作業時間の短縮が図られ、職員が新たな業務への対応や県民との対話に目を向けることが可能となり、行政マンとしての仕事の変革が実現できるとの認識をしっかりと持つことが必要であると考えます。
 そこで、知事にお尋ねいたします。
 電子自治体の共同運営を進めていくに当たっては、県民がそのメリットを最大限享受できるよう常に利用者の視点に立って課題を分析し、利用率を高めていく取り組みが必要であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。
 2点目に、安全で信頼度の高いシステムの整備についてお尋ねいたします。
 インターネットを積極的に活用し、いつでも、どこからでも県や市町村への手続を行える電子自治体の取り組みを広めていくためには、だれもが安心して使えるように、個人情報の保護が確実に担保された、安全で信頼度の高いシステムを整備することが肝要であると考えます。
 今回の電子自治体の共同運営においては、システムを原則24時間365日運用するために、民間のデータセンターを利用し、共同運営センターとして整備・運用を行うとされています。民間施設の活用によるコスト削減などの効果があることは評価できますが、昨今の個人情報の漏えいの原因がネットワークからではなく内部からの発生が主であることを考え合わせますと、共同運営センターの運用に当たっては、情報の漏えいを防止する観点からのチェック体制を強化することが大きな課題であると考えます。
 そこで、知事にお尋ねいたします。
 情報システムの構築や改修などを民間に委託することが多い現状の中で、県と市町村共同の窓口として利用されるような県民の個人情報を取り扱う電子自治体の共同運営の実現に向けては、従来にも増してセキュリティ対策の強化が求められると思いますが、どのような対策を進めようと考えておられるのかをお伺いいたします。
 3点目として、共同運営センターを運用するに当たり、情報漏えいが発生した場合の責任の所在についてお尋ねいたします。
 国においては、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることから、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めた個人情報の保護に関する法律は、第20条で「個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又はき損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。」と定めております。さらに、この法律に違反した場合には主務大臣が是正を勧告、命令し、命令に違反した者には6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処すると定められており、平成17年4月から、この罰則規定が施行されることとなっています。
 一方、行政機関における個人情報の取り扱いに関する基本的な事項を定めた行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律を平成17年4月から施行することとし、国の機関から個人情報の取り扱いの委託を受けた者に対して、安全確保の措置を義務づけるとともに、受託業務従事者等による個人情報の提供等に違反した者への罰則が定められています。
 そこで、知事にお尋ねいたします。
 本県においても、個人情報保護条例の改正作業を進めていることは承知しておりますが、このように法令が整備されてくる中で、電子自治体の共同運営を推進し、申請・届け出や施設予約を電子化する上で、だれが、どのように県民の個人情報の安全確保の措置を講ずるべきなのかという責任の所在を明確にしておく必要があると考えます。共同運営センターを運用するに当たり、個人情報の漏えいが発生した場合の責任はどうなるのかをお伺いいたします。
 次に、教育分野におけるIT環境についてお尋ねいたします。
 初めに、IT環境の進展に伴う教員の意識改革や技術の向上について伺います。
 社会全般におけるインターネットの急速な普及に対応して、学校教育の現場においてもパソコンが積極的に導入され、IT機器を活用した事業展開が進められており、児童・生徒の情報活用能力の向上を図る教育が推進されております。そのためにはコンピューターやインターネットを活用した情報通信ネットワークなどの情報交換手段を適切に使い、みずから必要な情報を適切に選択し、目的や条件に応じて処理・加工したり、さらに、みずからも情報を創造、発信していく力を子供たちにはぐくむことが重要であります。
 また、子供たちにとって、今日の生活に必要とする情報は、携帯電話やパソコンを使用したインターネットから情報をとることが非常に多くなっております。平成14年7月に内閣府が発表した第4回情報化社会と青少年に関する調査では、12歳から17歳の青少年がインターネットを利用している割合は50.5%に及んでおり、年齢層によってはかなりの子供たちがインターネットを利用しているものと推察しております。このことは、同時にネットワーク上のルールやマナー、個人情報、プライバシー等の指導が重要であり、インターネット利用におけるマナー教育を早い時期に行い、正しい使用スタイルを身につけさせる教育もこれからの社会に不可欠であると考えます。
 しかし、児童・生徒に対するIT環境の整備が進む一方で、パソコンを使って授業ができる教員の割合は低いレベルにとどまっており、特に、学年が進むに連れて対応がおくれているというデータがあります。平成15年度に文部科学省が行った、学校における情報教育の実態等に関する調査では、コンピューターを使って教科指導等ができる教員は全国平均では小学校72.7%、中学校53.8%、高等学校46.1%であります。このことは本県においても同様の傾向でありまして、IT化への教える側である教員の対応が急務となっております。
 そこで、教育長に伺います。
 ITを活用した教育を着実に推進していくためには、児童・生徒を取り巻くIT環境の急速な進展の実態をしっかりと認識して、教員みずからが柔軟にIT環境に対応していくための意識改革や、実践的な情報活用技術の向上も必要と考えますが、教育長のご所見をお伺いいたします。
 次に、教員のIT環境についてお尋ねいたします。
 高度情報化社会の中で、ITを活用した教育を着実に推進していくためには、教員の意識改革や実践的な研修とともに、パソコンの配備や情報ネットワークの構築など、IT環境の整備も大変重要であると考えております。
 現在、教育委員会では、教員間での教材の共有化や共同研究を可能とする環境づくりのため、県立学校等を結ぶネットワークの整備等に取り組んでいると伺っております。しかしながら、一般行政の事務においては本庁等で職員1人1台パソコンが整備されている状況などと比較しますと、学校における教員のIT環境は大変おくれているように見受けられ、今後、ITを活用した教育を推進するため、また、現在整備しているネットワークの導入効果を最大限引き出すためにも、パソコン等の基盤整備に早急に取り組む必要があると考えるところであります。
 また、現在、教育委員会では地域や社会に開かれた高校づくりに取り組んでおりますが、地域社会との連携・交流の推進あるいは地域の方々の意見を反映した学校づくりなどを推進していくに当たっては、教員と生徒、保護者、さらには地域の方々との連携を一層緊密に図ることが不可欠であります。情報化が進展し、携帯電話やインターネットが県民に広く普及している今日、教員と保護者や地域の方々等とのコミュニケーションの手段として、インターネットによるメールなどITを有効に活用できれば、これまで以上に密接な連携が可能になるとも考えております。
 そこで、教育長に伺います。
 ITが学校のさまざまな教育活動に不可欠になっている状況を踏まえますと、生徒のIT環境の整備はもちろん、学校で実際に活用している教員のIT環境の整備も大変重要であると考えるところですが、現状をどのように認識し、その整備についてどのように考えているのか、教育長のご所見をお伺いいたします。
 IT関係の質問の3番目として、警察業務におけるITの活用についてお伺いいたします。
 最近の県内治安情勢の悪化に対処するため、警察官の増員、交番不在対策の強化など、県警察では県民の安全・安心な生活の回復を目指し、積極的に警察力の向上に取り組んでいると承知しておりますが、身近で起きる犯罪に対しては、県警察の犯罪捜査、取り締まりなどの強化に頼るだけではなく、県民みずからが犯罪抑止に立ち上がろうとし、各地域で防犯パトロールなどの自主防犯活動が行われるなど、県民の防犯意識も変化が起こっています。
 また、12月定例会への上程に向けて検討されている(仮称)安全・安心まちづくり条例でも、県民と行政が一体となり、犯罪の起きないまちづくりに向けて意識を高める条例案づくりが進められていると認識しています。県民の犯罪抑止活動は、みずから身を投じて行うものであり、警察官と顔と顔の結びつきを強めることが地元情報の共有化につながると考えております。
 警察官は一時でも多くまちに出て、県民と一体となる活動が求められています。そのためにも、ITを積極的に活用することによって業務の効率化、合理化、犯罪捜査の迅速化を図り、得られた効果を警察活動そのものに振り向け、側面から警察力の強化を図ることも可能であると考えます。
 また、IT化により警察で集められた情報は、県民に必要とされる情報として公開することで警察との信頼関係を深め、イメージアップにもつながると思います。ただし、個人情報の保護については細心の注意を図り、県民の期待を裏切ることのないシステムの構築と運用が必要です。そして何よりも、警察内部の情報管理能力の確保を強く望むところであります。
 そこで、警察本部長にお伺いします。
 県警察においては、県民が安心して暮らせる地域社会の実現を目的として、警察業務全般の電子化を推進しているとのことですが、ITの活用による効果をどのように見込み、必要性についてどう認識しているのか、所見をお伺いいたします。
 IT関係の最後は、本年7月1日に設立されたu−Kanagawa推進協議会についてお尋ねいたします。
 この協議会の前身は、平成7年度に設立されたかながわマルチメディア産業推進協議会、それを引き継いで平成13年度に設立されたかながわIT産業推進協議会で、それぞれ本県のIT化の促進や、ITに関する普及・啓発などについて一定の成果を上げてきたとお聞きしております。それらの活動を継承するu−Kanagawa推進協議会は、近い将来に到来すると言われるユビキタス社会に対応したIT環境、社会経済環境はどうあるべきか、また、近年の急激なIT化がもたらした社会、経済のゆがみにどのように対応すべきかなどについて調査研究、提言を行うとともに、県内各地域の課題解決や産業の再生、活性化に向けた活動を行うことを目的としており、全国に先がけて本県をユビキタス社会にすることを目指していると承知しております。
 ユビキタスネットワークとは、いつでも、どこでも、だれでもコンピューターネットワークを利用できる環境のことを意味しております。国においては、だれもが元気に参加する社会を構築するため、ITを利活用して簡単にネットワークにつながる社会を実現し、活力ある未来の日本をつくろうというu−Japan構想を提唱しており、本県としても早急に、将来の神奈川ユビキタス社会の絵を描き、実現に向けた取り組みを具体的に進めていく必要があるのではないかと考えます。
 u−Kanagawa推進協議会のuは、まさにユビキタスの頭文字をとったものであり、その活動は、民間企業、県民、NPO、行政が一体となってユビキタス社会をいち早く本県において実現しようとする協働の取り組みであり、本県の活力と魅力の向上に向け役立つものと期待しております。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 今後、u−Kanagawa推進協議会はさまざまな取り組みを行い、成果を上げていくものと思われますが、理事として協議会に参加している県としては、協議会の活動にどのような成果を期待し、どのようにかかわっていこうと考えているのでしょうか、ご所見をお伺いいたします。

 質問の第2は、災害対策についてであります。
 まず、情報伝達についてお伺いいたします。
 さきの新潟・福井豪雨災害の県政調査に参加し、調査場所の被災者から当時の様子を聞くことができました。増水する自宅前に様子を見に行った奥様が、次の瞬間、姿が見えず、いまだに行方不明という話を年配のご主人に伺い、別の家では玄関がシートでおおわれ、ここに自動車が流されて突っ込んできた様子を一生懸命にお話しいただき、この家のご老人は「このありさまをぜひとも教訓として役立ててほしい」と、初めて会う私たちの手をとり、熱心に訴えてくれました。災害の傷跡を目の前に見ることができ、改めて水害の恐ろしさを痛感させられたわけでございます。
 私の選挙区である横浜市港北区は、区の中心部を鶴見川が流れ、ひと昔前は豪雨のたびに堤防決壊の恐怖を感じていたことを思い起こします。現在では河川整備も進み、安心感が高まっております。しかし、福井県美山町で降りました時間雨量96ミリメートルの豪雨など新潟・福井豪雨と同様の集中豪雨が神奈川県に襲いかかったと仮定するとどの程度の被害が発生するのか、不安を感じるところでございます。
 この災害で課題となった住民に対する情報伝達手段は、その地域の特徴や事情でかなりの差があると思われます。豪雨の中でいかに情報伝達を迅速に行うことができるかは各市町村の責務であると承知していますが、昨今、情報伝達手段は有線、無線、インターネット、衛星通信などの通信手段、広報車や人力による伝達など多種多様であります。
 各市町村の防災訓練は地震を想定したものが多く、震災時の情報伝達訓練は実施されておりますが、豪雨の中での情報伝達訓練は行われていません。現実の訓練の中で実施することは難しいと思われますが、今回の教訓を参考にすると、その必要性は高まっているのではないでしょうか。
 今回の新潟・福井災害の調査の中で、避難の勧告や指示の伝達時間、伝達方法が問題となりましたが、避難勧告をするには通告の時期と避難対象地域、通告手段を的確かつ迅速に判断して実施することが重要と考えます。
 そこで、知事にお伺いします。
 本県では、市町村との間で気象警報や水防警報などの情報、特に生死にかかわる避難行動が必要となるような情報の伝達はどのように行っているのでしょうか。また、市町村が行う住民への情報伝達システムの整備についてどのように支援をしているのか、お伺いいたします。
 次に、災害発生時の廃棄物処理についてお尋ねします。
 新潟・福井豪雨における被災状況につきまして、実際に現状を調査してまいりましたところ、想像を絶する光景として目に映ったのは、水害を受けて1カ月がたつにもかかわらず、無残に山と化した生活用品などの残骸でした。実際に積み上がっている状況は、廃棄物となった家具や家庭電化製品を初めさまざまな廃棄物が土砂等にまざっており、悪臭も大変気になる状態でした。その量は、新潟県においては約6万1,000トン、福井県では約2万4,000トンに上ると聞いており、いずれの被災地においても膨大な量の廃棄物が処理を待っているという状況でした。
 このような状況を見ると、災害廃棄物はさまざまなものが混在しており、その処理は大変であると実感するとともに、速やかな対策が大切であると認識しました。
 また、災害において大量の災害廃棄物が発生した事例として思い起こされるのは、平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災であります。この大震災は、まれに見る大惨事として私たちに衝撃を与えました。このときには、およそ2,000万トンにも及ぶ災害廃棄物が発生し、復旧・復興の大きな支障になったことは皆様もご記憶のことと思います。
 もとより災害対策として、その発生に備え、被害を最小限に抑えるための地震や風水害に強いまちづくりをすることは極めて大切であると承知しておりますが、ひとたび災害が発生すれば、被災地の復旧・復興、地域の公衆衛生の確保という面から、災害廃棄物についての対応は避けて通れないものであり、速やかな対応を可能にするためには、日ごろからの準備をしていくことが必要であると改めて感じたところでございます。
 そこで、知事に伺います。
 災害が発生した場合、災害廃棄物の処理対策について本県ではどのような対応を図っているのか、お伺いいたします。
 以上をもちまして、私の1回目の質問を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。

○知事(松沢成文君)
 嶋村議員のご質問に順次お答えをいたします。
 初めに、電子自治体の実現に向けた取り組みについてお尋ねが3点ございました。
 まず、電子自治体の共同運営に当たっての、利用率を高める取り組みについてのお尋ねであります。
 国におきましては既に電子政府の取り組みが先行しておりますが、本年6月に公表された電子政府の推進に関する調査では、利用者からの声として「オンラインで手続が行えることを知らなかった」とか、あるいは「手続案内、電子申請システムを使いやすくしてほしい」といったものがありました。こうしたことから考えますと、電子自治体の利用率を高めるためには、電子自治体によって提供されるサービスを県民の皆様に知っていただくことや、利用する方にとってわかりやすく、使いやすいといった視点でサービスを提供することが極めて大切であると考えます。
 具体的には、県と参加市町村が協力して、ホームページや広報紙でのお知らせなどを活用して広報を充実させることはもとより、公民館など県民の皆様が地域で身近に利用できる施設で電子申請の手続を体験できる場を用意するなど、多くの方々にこのサービスを利用していただけるよう努めてまいりたいと思います。
 また、わかりやすく使いやすくために、利用する手続を画面から簡単に探せるようにすることや、わからないことについて電話でお答えするコールセンターの設置などに取り組むことを考えております。
 今後は来年度早期の稼働に向けて準備を進めてまいりますが、稼働後はコールセンターに寄せられた利用者の声を分析して、ニーズを反映した、わかりやすく使い勝手のよいシステムとなるよう継続的な見直しを行い、利用率向上に向け力を尽くしていく考えでございます。
 次に、セキュリティ対策の強化についてのお尋ねがありました。
 まず、ウイルスや不正アクセスの防止対策などにつきましては、ファイアウォール、ウイルス対策ソフト、ネットワーク監視などを整備して、最新の情報をもとにセキュリティの確保ができるよう準備を進めてまいります。さらに、電子自治体の共同運営では、民間のデータセンターにおいて個人情報を取り扱うことになりますので、これまでの大量の個人情報漏えい事故の主な原因と言われている内部からの情報漏えいを防ぐことが、特に大きな課題であると考えております。
 そこで、内部からの情報漏えい対策として、第1に、データセンターへの人の出入りをシステム面や運用面で厳重に管理し、部外者の入室を排除すること、第2に、データセンター内に専用スペースを確保して専任の運用要員を配置し、運用に携わる者の数を極力少なくすること、第3に、個人情報を取り扱う作業については必ず複数の人員で対応し、相互監視機能を持たせること、こうした取り組みをしっかり行うことにより、内部からの個人情報の漏えいを防止することとしております。
 また、協議会を構成する県と市町村とで、セキュリティ対策が十分に機能しているか確認、チェックを行い、必要なセキュリティ対策の継続的な見直しを行ってまいります。
 こうしたセキュリティ対策の強化により、県民の皆様に電子自治体で提供するサービスを安心して使っていただけますよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、共同運営センターの運用に当たり、個人情報の漏えいが発生した場合の責任についてのお尋ねがありました。
 県民の個人情報の漏えいはあってはならないことであり、そうした事態を防ぐための責任体制を明確にしていくことは大変重要で、不可欠な取り組みであると考えております。こうした認識に立って、個人情報の保護に向けて協議会のもとに情報保護委員会を設け、各自治体が足並みをそろえて取り組んでまいりますが、全体の中で責任があいまいにならないよう、個人情報を管理するそれぞれの自治体が責任を負うという考え方を基本にしております。
 このことを前提に、まず、システム面では、利用者登録情報や申請書情報などの個人情報データを各自治体ごとに確実に管理できるようにしたいと考えております。また、事業者との契約は協議会としてではなく、情報を管理する県、市町村がそれぞれに直接締結し、契約の中で、情報を適切に管理することや、業務に従事する者にも秘密保持を義務づけるなど個人情報保護の特記事項を設けて、事業者に厳しい管理を求める考えであります。
 先般、神奈川県個人情報保護審議会からいただきました神奈川県における個人情報保護制度の充実についての答申においては、受託事業従事者による義務違反に対する罰則を創設することが適当であるということが提言されております。県としては、この提言の実現に努めてまいりますが、受託事業従事者に罰則が適用されれば、県と事業者との直接契約により、個人情報を扱う者の責任が一層明確になるものと考えております。
 今後の電子自治体の共同運営に当たりましては、こうした責任体制を確立し、個人情報の安全確保に最善を尽くしていく所存でございます。
 次に、u−Kanagawa推進協議会についてのお尋ねがありました。
 議員からお話をいただきましたu−Kanagawa推進協議会、略してuK協のuはユビキタスをあらわしております。いつでも、どこでも、だれでもがネットワークに簡単にアクセスできるユビキタス社会の実現により、高齢者、障害者を含め、だれもが安全・安心で利便性の高い暮らしができるようになると言われておりますので、私もユビキタス社会の早期実現に期待をしております。
 しかし、ユビキタス社会は容易に実現できるものではありません。国による広域的な取り組みばかりではなく、地域における実践的な活動が不可欠ではないかと考えております。uK協は、全国に先がけ本県をユビキタス社会にすることを目的に、県内企業、県民、行政などが参画し、共同でさまざまな取り組みを行うために設立されたものであり、県もその趣旨に賛同し、産業振興、地域活性化の観点から、設立に際し前向きにかかわったところでございます。
 そこで、県としてuK協の活動にどのような成果を期待するかとのお尋ねでございます。
 uK協では、IT化の急激な進展が社会、経済に与える影響の分析や、来るべきユビキタス社会に向けたIT利活用等のあり方についての検討のほか、会員の提案に基づく具体的なプロジェクトに取り組んでいくとのことであります。本年度は、かながわIT産業推進協議会の3年間にわたる事業成果を活用して、全県的なSOHOネットワークを構築し、SOHO事業者のビジネス基盤の強化を図るほか、ユビキタス社会について多くの県民、企業にご理解いただけるようなセミナー等も開催すると伺っております。
 県といたしましては、こうした活動が地域の抱えるさまざまな課題の解決や産業の再生、活性化に結びつくとともに、ユビキタス社会に対する県民、企業の意識の向上、機運の醸成が図られることを期待しております。
 また、このようなuK協の活動に会員として参画するとともに、県の施策との連携を図ってまいりたいと考えております。
 次に、風水害時の情報受伝達についてのお尋ねがありました。
 まず、県から市町村に伝達する大雨や洪水に関する情報で、特に住民の避難にかかわるような重要な情報といたしましては、大雨警報、洪水警報等の気象警報や、個々の河川に関する洪水予報、水防警報などがございます。これらの情報は、県、市町村、関係機関を結ぶ神奈川県防災行政無線の一斉指令を用いて県から市町村に伝達しております。
 この神奈川県防災行政無線につきましては、まず、国の電波利用方針の変更により、現在の周波数帯から別の周波数帯への移行が必要となっていること、また、通信ルートの多重化を図る必要があること、そして設備が老朽化していることなどから、現在、再整備事業を進めておりまして、今年度の実施設計を経て、平成17年度から平成19年度上半期にかけて有線通信設備を整備し、その後、平成20年度中に衛星通信設備を整備することとしております。
 再整備に当たりましては、風水害に強い有線専用回線と地震災害に強い衛星通信を用いて通信ルートの多重化を図るとともに、パソコンのネットワークを導入して、気象台が発表した警報等を迅速に市町村に自動配信し、あわせてさまざまな気象情報も提供できる機能を持たせることとしております。
 次に、市町村に対する支援についてでございますが、住民への情報伝達に用いる市町村の防災行政無線の整備につきましては、消防庁の補助事業に加え、本県では平成8年度から、市町村地震防災対策緊急支援事業として財政支援を行ってきているところでございます。その結果、平成16年4月1日現在で、屋外に設置したスピーカーから一斉に通報する無線受信機が36市町村で3,423台整備され、さらに屋内に設置した受信機に一斉通報する個別型のものも28市町村で3万7,503台整備されるなど、その体制の強化が図られてきたところであります。
 今後とも、災害時において住民が適切な行動をとれるよう、市町村の情報伝達システムの整備を支援してまいりたいと考えております。
 最後に、災害廃棄物の処理対策についてお尋ねをいただきました。
 本県における災害廃棄物の処理対策につきましては、平成7年の阪神・淡路大震災において膨大な災害廃棄物が発生し、復旧・復興に大きな支障が生じたことを教訓として取り組みを開始しております。
 まず、平成8年3月に神奈川県地域防災計画の地震災害対策計画を見直した際に、新たに災害廃棄物等の処理に関する事項を位置づけるとともに、市町村等の協力を得て、環境に配慮した迅速で適正な災害廃棄物の処理体制の整備を目的とした神奈川県災害廃棄物処理基本大綱を策定いたしました。さらに、この大綱に基づき、平成9年3月には災害廃棄物等の処理に関する基本方針、発生量の推計方法、市町村処理計画のモデル計画等を盛り込んだ災害廃棄物等処理計画策定指針を定めたところであります。あわせて、実際の処理業務が適切に行われるよう、発災からの時系列的な流れを踏まえたマニュアルも策定しております。
 また、風水害による災害廃棄物に対する処理対策といたしましては、平成10年3月に地域防災計画の風水害等災害対策計画を見直した際に、地震災害に準ずる形で位置づけを行い、対応を図っているところであります。
 しかしながら、議員からのお話にありましたとおり、今回の新潟県、福井県の集中豪雨による災害廃棄物処理の問題は極めて深刻であり、また、風水害により発生する廃棄物には、家財類などが多くを占め、水につかって腐敗しやすいといった地震災害とは異なる特徴も見受けられます。県といたしましては、このたびの被災地の経験に根差した知識や教訓をいただくなど、風水害に伴う災害廃棄物の特徴を整理し、これまでの指針、マニュアルについて改めて検証してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は、以上でございます。

○教育長(曽根秀敏君)
 教育関係について、お答えをいたします。
 まず、IT環境の進展に伴う教員の意識改革や技術の向上についてのお尋ねでございます。
 現在の情報社会に主体的に対応できる資質や能力をきちんと児童・生徒に身につけさせ、コンピューターやインターネットなどを適切に活用できる力を育てることは、学校教育における重要な課題の一つでございます。そのためには、すべての教員が基本的な操作技術を身につけ、情報モラルなどについて的確に指導するとともに、ITを活用した授業づくりを積極的に進めることが大切でございます。
 しかしながら、議員ご指摘のとおり、コンピューターを操作できる教員は小・中・高等学校とも9割を超えてはおりますけれども、コンピューターで教科指導ができる教員は、昨年度よりも増加しているものの、十分な状況にはございません。
 そこで、こうした状況を改善するためには、教員の意識を改革し、ITを活用して授業ができる力をすべての教員に身につけさせる必要があると考えまして、各種研修の充実や、各学校の取り組みへの支援の強化を始めたところでございます。
 具体的には、県立総合教育センターで政令市、中核市を除いたすべての小・中・高等学校の教員を対象に実施しております、採用時、5年、10年、15年の経験年数に応じた研修に平成15年度から情報教育を取り入れ、その中で、情報教育の基礎はもとより授業での活用や情報セキュリティなどについて、演習を交えた研修を実施しております。また、平成16年3月には、ITの活用方法や授業実践例をまとめたハンドブックを作成、配付するとともに、ホームページでも公開し、各学校での取り組みを支援しております。特に県立高等学校の教員については、平成13年度から各学校でコンピューター活用のリーダーとなる教員の養成を目的とした研修も実施し、研修終了後、各学校で講師として教員の指導に当たっております。
 今後は、県全体として情報教育の向上を図るため、県と市町村が連携をいたしまして、情報モラルなど情報教育の課題や授業での活用方法などについて研究・協議や情報交換を行う場を新たに設置するとともに、研修等の一層の充実を図り、すべての学校でITを活用した授業が推進されるよう、教員の意識改革や技術の向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、教員のIT環境についてのお尋ねでございます。
 社会の情報化が急速に進展している中で、学校における情報基盤の整備は喫緊の課題であり、これまでもコンピューター教室や校内LANの整備などを進めてきたところでございます。しかしながら、議員ご指摘のとおり、ITを活用した授業を行うための教材づくりや成績処理など、教員が業務に使うパソコンの整備はまだ十分でなく、また、教員同士の情報共有、情報交換を可能とするネットワークシステムも整備されていないなど、教員のIT環境の整備はかなりおくれていると認識をしているところでございます。
 そこで、現在、ITを活用した教育等の取り組みを支えるインフラといたしまして、県立学校などを結ぶネットワークの整備を平成17年4月からの本稼働を目指して行っており、また、今年度から教員用パソコンの計画的な配備にも着手したところでございます。今後も高度情報化社会に対応した教育をさらに推進できるよう、学校におけるIT環境の充実・向上に計画的に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、学校と保護者や地域の方々との連携にITを活用するお話もございましたけれども、保護者等が学校に行かなくても情報を入手できたり、都合のよい時間に教員に情報を伝えることができるなど、有効な面があると考えております。しかしながら、一方で、個人情報保護の観点からセキュリティを十分に確保するといった課題もございますし、また、情報機器を使える人、使えない人、あるいは持てる人、持てない人の格差、いわゆるデジタルデバイドの問題もございますので、今後、保護者等におけるIT機器の普及状況やニーズなども把握しながら検討してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

○警察本部長(伊藤茂男君)
 嶋村議員の、ITの活用による効果をどのように見込み、必要性についてどう認識しているかとのご質問にお答えをいたします。
 県警察におきましては、県民の皆様が安心して暮らせる地域社会の実現のため、警察官の増員や交番の不在対策などを進める一方で、ITを効果的に活用して警察活動を支援していくという、平成15年度を初年度とする神奈川県警察電子化推進計画を策定をいたしまして、5カ年をめどに計画的に整備を進めているところであります。
 嶋村議員ご指摘のとおり、電子化を推進することによりまして犯罪情報の提供や警察業務の効率化、合理化、迅速化などを図ることができるものと考えております。具体的に申し上げますと、県民の皆様方には、インターネット等の情報通信機器を活用いたしましてタイムリーな犯罪の発生状況や交通事故の情報、あるいは防犯対策など、より身近な情報を提供することで自主防犯意識を高めることができるものと考えております。この場合、個人のプライバシーには細心の注意を払うことは当然のことであります。
 また、部内的な効果といたしましては、犯罪情報等の共有化、一元化を初め各種データ集計や分析作業の迅速化などによりまして警察官の事務負担が軽減されることで、合理化された時間を第一線の警察活動、すなわちパトロールの強化や事件・事故の操作、被害者や弱者の保護等に振り向けることができるなどの効果が見込まれるものと考えております。
 また、必要性という面で見ますと、情報通信技術の飛躍的な進歩やインターネットの普及によりまして、これを悪用した事件が多発しております。電子化とネットワーク化の進展が社会に大きな影響を与えている現状でございます。こうした社会情勢の変化に伴いまして、警察活動においても例外ではなく、犯罪捜査上、警察組織のIT化は必要不可欠なものと認識しているところでございます。
 県警察といたしましては、常に最新の技術を取り入れ、現場活動にITを積極的に活用していくことで警察活動を側面から支援し、地域の安全を確保していく所存でございます。
 以上でございます。

○嶋村ただし君
 自席からの発言をお許しいただきたいと思います。
 ITに関しての質問を幾つかさせていただきました。現在、県行政の中でも数多くのシステムが稼働していると思います。今も新規や改修等、日々進化していると承知をしておるところですが、本来、県行政の中でITの利用なり位置づけ、そういったものの全体像を示してほしいという思いがしております。残念ながら、総合計画では抽象的な表現にとどまっておりまして、各部局の一システムとしての表現はされている、その程度だと認識をしております。
 今まではこれで、一システムの表現でいいというような位置づけと思われておりますけれども、神奈川県が目指すIT社会づくりに行政が先頭を切ってリードしてほしいと考えると、このシステムづくりについての骨格を示してほしいと思います。
 また、質問の趣旨とは離れますけれども、県内の企業誘致、そういったものにおいても、IT業界は非常に元気であるという位置づけが、今、日本でも周知されております。投資も比較的少なく、移転もしやすいところから、魅力ある神奈川のIT社会づくりに賛同していただける企業も数多くあるのではないかと思います。これからの政策の中で、IT戦略を県の柱にしていただけるようにご提言をさせていただきます。
 また、教育長、警察本部長におきましては、現場でのITのすそ野を、ぜひともご努力いただきたい、そのようにお願いをいたしたいと思います。
 最後に、災害対策につきましては、ハード面、ソフト面両面の対応が必要と思われます。知事のご答弁にもありましたけれども、他地域での災害を例にするのは大変申しわけないとは思いますけれども、教訓として神奈川に置きかえて、対策を考えていただきたいと思います。
 また、水害訓練というのはなかなか実施が難しいと私自身も考えておりますが、各市町村で作成されているハザードマップ等をもとにして、県民への情報提供というものを徹底させていただきたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。



後援会
事務所
メール

自由民主党・本部
詳細


 
Copyright(C) 2009 嶋村ただし All Rights Reserved.