神奈川県議会 嶋村ただし(港北区選出・自民党)


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神奈川県議会 嶋村ただし(港北区選出・自民党)


本会議
2003年9月26日 平成15年9月・定例会
○嶋村ただし君
 議長のお許しをいただきましたので、私は自由民主党県議団の一員として、通告に従い、順次質問いたします。
 冒頭、本日早朝、北海道・東北地方において、震度6弱の地震がございました。被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
 私、嶋村ただしは横浜市港北区選挙区であります。父の在職中は議会関係者の方々に大変お世話になり、まことにありがとうございました。
 さて、私は新人ではありますが、唐突に行われる松沢県政に疑問を持っております。知事は県民の信頼に足り得る姿勢でいるのか、知事は本心から議会並びに県内市町村、そして一番大切な県民と対話を持つ姿勢があるのか、本当に県民のためになる施策展開を行おうとしているのか、そんな思いから質問を行いたいと思います。
 知事並びに警察本部長におかれましては、明快なご答弁をお願い申し上げます。先輩、同僚議員におかれましては、しばらくご清聴のほどよろしくお願いいたします。

 質問の第1は、河川行政についてお尋ねします。
 私の地元、横浜市港北区を流れます鶴見川は、東京都町田市を水源として多摩丘陵を流下し、横浜市鶴見区で東京湾に注ぐ流域面積235平方キロメートル、幹線流路延長42.5キロメートルの1級河川であり、その流域では昭和33年当時、市街化率10%、人口45万人程度であったものが、平成12年には市街化率85%、人口185万人を抱える典型的な都市河川であります。
 バクの形の鶴見川流域の特徴は、昭和40年代前半からの流域の急激な都市化に伴う洪水量の増大から、水害が起こりやすい暴れ川というイメージが強かったのですが、昭和54年度からの総合治水対策特定河川事業により改修を行った結果、平成3年度には1時間当たり50ミリメートルの降雨に対応できるようになり、さらに60ミリメートルの降雨にも対応できるように整備を進めていると承知しており、長年の治水整備の努力により治水安全度が上がり、イメージも大分変わってきたと感じております。
 ことし6月15日には国土交通省が施工していた鶴見川と鳥山川が合流する横浜市港北区の小机・鳥山地区において、面積84ヘクタール、貯水容量390万トン、東京ドーム3杯分の鶴見川多目的遊水地運用開始式が行われました。この多目的遊水地は通称ゆめオアシスと呼ばれ、今後、遊水地であり、県民の憩いの場所、スポーツを楽しむ場として整備が進められていきます。
 また、同時に建設された鶴見川流域センターはIT設備も充実し、流域の情報発信拠点としてオープンしています。4階建ての流域センターは、流域の情報交換や地域交流の場、総合学習や環境教育、防災教育の場として利用できる施設であると承知しています。
 この夏8月14日より降り続いた降雨の影響により、初の洪水調整が行われました。鶴見川多目的遊水地の完成により、戦後最大級と言われている昭和33年9月の狩野川台風の雨量でも安全に流下させることができるようになると伺っております。
 さらに、ことし6月に県が施工していた鶴見川上流部の川崎市麻生区下麻生地区において、恩廻公園の地下を利用した貯水容量11万トンの恩廻公園調節池が完成するなど、洪水の危険は大幅に減少するものと期待するところであります。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 昭和54年から進められてきた総合治水対策は、国・県・市の協力体制のもとで着実に成果を上げていると考えておりますが、これからの鶴見川の治水対策について、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 ところで、昨年はタマちゃん騒動があり、鶴見川がマスコミに大きく取り上げられました。しかし、報道の内容は、汚い川ということを特に強調していたように感じております。
 ことし7月に国土交通省より、平成14年の全国1級河川の水質現況が発表され、水質調査を実施している全国166の1級河川について、生物化学的酸素要求量、通称BODの平均値から見た水質は13年のワースト3位からワースト1位と大変不名誉な記録をつくってしまいました。このワースト1位は地元県民にとって大変なショックであり、鶴見川流域の県民は何とかならないものかと思案を続けているところであります。
 河川がきれいであることは、自然とのふれあいが一段と高まる要素だと考えます。水質が悪い状況では人々が河川に親しむことができません。昔から鶴見川流域に住み、鶴見川を見続けてきた1人として、どうしたら水質がよくなり、人々が水遊びをしたり、楽しんだり、生き物にもよい環境づくりができないものかと考えているところであります。
 そこで、知事にお伺いします。
 鶴見川では急激に進んだ都市化により、緑地やわき水の減少、生物の生息環境の悪化、平常流量の減少による水質の悪化等のさまざまな問題が生じており、平成14年2月から、鶴見川流域水委員会という組織において鶴見川の将来について話し合いがされ、鶴見川流域水マスタープランを検討していると承知しておりますが、この委員会における検討の経緯と今後の県の取り組みについて伺います。

 質問の第2は、安全・安心まちづくりに関してお伺いいたします。
 知事は、去る9月2日の定例記者会見において、安全・安心のまちづくりを総合的に進めるため、担当理事の設置を唐突に、唐突に、唐突に発表されました。これにつきましては、本定例会の知事提案説明において、安全・安心な県民生活を実現するための総合的な対策をつくり上げ、県として集中的に実施していくことが極めて重要との認識を示されるとともに、理事には幅広い安全・安心の施策のうち、治安の確保の取り組みについて、総合的な企画・調整を担ってもらうとの説明がありました。
 確かに、本県の治安状況は、平成7年と平成13年を比較しますと、刑法犯認知件数は1.5倍と大きくふえる一方、検挙率は0.4倍と大きく低下しております。また、街頭での路上強盗、ひったくりや空き巣ねらいなど、身近でも起こりかねない犯罪が急増しております。
 我が党といたしましても、治安対策の強化は以前から重要な課題と認識しており、最近では平成13年度及び平成15年度の県議会定例会において、警察官の増員に関する意見書の提出を行い、可決されたところでありますし、また、平成14年度当初予算に対する要望では、治安の確立と警察官増員、さらに、平成15年度当初予算に対しては、安心・安全の実現に対する警察力の増強の視点から、それぞれ要望を行ってまいりました。こうした取り組みの結果もあり、平成14年と平成15年の2年間で本県の警察官は700人近い大幅な増員が図られたところであります。
 また、国においては、自民党本部が今年7月25日に治安の悪化傾向に歯どめをかけ、我が国の伝統である良好な治安の復活を図るために、5年で治安の危機的状況を脱することを目標とする治安対策の強化に関する緊急提言を取りまとめたところであります。
 この提言の中では、警察官の増員など治安関係職員の確保、侵入犯罪・街頭犯罪対策などの治安関係機関の活動を支える基盤の整備など、さまざまな観点から具体的な提言を盛り込んでおります。こうした地に足のついた着実な取り組みこそが、成果を生み出していくものではないでしようか。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 安全・安心なまちづくりというと警察だけではなく、青少年犯罪や交通安全では県民部や教育庁も関係しますし、危機管理という面では防災局も関係します。神奈川県を挙げて推進していくということでしょうが、その具体的な方法がなかなか見えてきません。
 知事は、この担当理事を新設して、具体的にいつまでにどのような目標を達成しようとしているのでしょうか、また、そのためには理事を筆頭として、具体的にどのような推進体制を構築しようとしているのでしょうか、あわせてお伺いいたします。

 質問の第3は、警察行政についてお尋ねいたします。
 私の地元、新横浜駅周辺は昭和39年に新幹線が開通し、停車駅となることで、今日まで地域開発が盛んに進んでおります。これまで住宅を初め、ホテル、オフィスビルの建設、また横浜アリーナ、新横浜国際競技場などのイベント施設も立ち並び、神奈川の玄関口として、国際的にも名前の通った地域となりました。
 地元の町内会は地域活性化に全力で取り組んでおり、地域住民と駅周辺の企業とともにまちと人が明るく楽しく、安全で安心なまちづくりのリーダーとなっています。そのあらわれとして、新横浜町内会は本年6月25日に、まちづくり功労者として国土交通大臣より表彰されております。これは長年にわたり、住民と駅周辺の企業が一体となった活動が評価されたものと承知しております。
 安全・安心まちづくりは、県民の地域に対する思い入れが理想的なまちづくりの基礎となると信じております。平成20年には、JR新横浜駅ビル地上19階地下4階が計画されております。現在も羽田空港への直通バスが運行されており、かねてより羽田空港の国際化計画に伴い、より一層利用が促進されることが予測されます。
 また、交通のアクセスも便利であり、現在も国内要人が数多く利用していると聞いております。すなわち、新横浜は近年の都市化・国際化は目覚ましいものがあり、今後はさらに国際的なアクセスポイントになることが予想されます。
 こうして日常的に人の流れが多く見られることにより、心配されるのは治安であります。昨今の凶悪化・組織化・複雑化する犯罪に対処するためには警察官を増員し、警察官1人当たりの負担人口を軽減することも必要ですが、警察力の発揮という視点において、警察活動の拠点となる警察施設の設備も必要であります。
 さて、新横浜地区を抱える港北警察署は昭和42年に建てられ、築36年となり、横浜市18区の中で、最大の人口30万人を抱える警察署の庁舎にしては、余りにも手狭であり、老朽化に伴い、警察官の勤務環境への影響も懸念され、県民にとっても不安を隠せません。早急に、県民が安心して治安を任せられる警察署の建てかえを望むところであります。現在、警察署の多くは老朽・狭隘化しており、警察活動に支障を来しているものも少なくないと考えられますが、こうした状況を踏まえ、警察施設の整備について、基本的にどのようなお考えで取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いいたします。
 次に、交通安全対策について伺います。
 ことしも9月21日から秋の全国交通安全運動が行われています。今回の運動の重点は、高齢者の交通事故防止、チャイルドシートとシートベルトの着用徹底、二輪車・自転車の交通事故防止の3点とのことでありますが、県警察では昨年の9月及び10月に交通死亡事故が多発したため、この全国運動に連動して、秋の交通死亡事故抑止20日間対策として街頭活動の強化、交通安全教育の推進などに取り組んでいると承知しております。
 平成14年中に何人の方が交通事故に遭って亡くなられたか見てみますと、月別には9月の40人をトップに、年間、実に376人の方が被害に遭われております。これは全国ワースト4位の人数でありまして、1日当たり1人以上の方が交通事故で亡くなっているわけであります。こうして見ると、我々の最も身近に潜む危険と言えば、交通事故ということが言えるのではないでしょうか。
 最近、凶悪化する犯罪がマスコミ報道されれば、どうしてもこうした被害が話題になりがちですが、県内でこの10年間、毎年平均で400人近くの方々が交通事故によって命を落とされているのであります。
 これまでも県警察においては、交通信号機や標識等の施設整備、交通取り締まりの強化、交通安全教育の実施など、さまざまな交通安全対策に取り組んできたと承知しており、この10年で最も交通事故死亡者の多かった平成5年の538人に比べれば減少傾向にあるとも言えますし、平成15年に入ってからこの8月まででは、前年同時期の死者数を40人下回っておりますが、今後の推移を楽観できるものではありません。
 そんな状況の中、本年度から交通事故の多発している地区を「あんしん歩行エリア」に国が指定し、歩行者等の安全通行権の確保に向けた総合的な施策を推進していくと伺っております。これだけまちに車があふれる社会では、交通事故を皆無にすることは不可能でありましょうし、抜本的な抑止策もなかなか見つけにくいのが実情だと思います。
 そこで、警察本部長にお伺いします。
 このような地区ごとの集中的な対策が全県に広まれば、県民生活の安全は確実に向上するものと期待されますが、施策全体としてはどのような構想になっているのかお伺いします。また、県としてどのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いいたします。

 質問の第4は、行政情報化についてお尋ねします。
 2001年1月に政府のe−Japan戦略が発表され、2005年までに世界最先端のIT国家となることを目指す政府の取り組みが示されました。この目標を掲げてからわずか2年半余りしかたっておりませんが、この間に政府は2001年3月のe−Japan重点計画を初めとし、政府が取り組むべき施策を定めた各種計画を次々に策定し、実施してきております。
 その結果、情報通信基盤の整備やインターネットの通信料金の低廉化を実現し、インターネット人口普及率は1999年12月末の21.4%から2002年12月末の54.5%へと、全国民の半数以上が利用している状況にまで至っております。
 一方、行政の情報化について見ますと、国においても、既に電子申請や電子入札が始まっており、来年早々には、国税の電子申告の実施も予定されております。また、本年7月には、利用者本位の行政サービスの提供と予算効率の高い簡素な政府の実現を目指した電子政府構築計画が策定されたところです。こうした国の動きを踏まえながら、地方自治体においても、着々と電子自治体の実現に向けた取り組みが進められているものと承知しております。
 神奈川県におきましても、平成13年3月に電子県庁の実現を目指した行政情報化プログラムを策定し、平成13年度から平成15年度までの3カ年の計画期間における取り組みを示しており、これらの事業は行政システム改革の取り組みなどとの整合も図られながら推進されているものと理解しております。
 これに関連して、この8月に総務省が策定し、各都道府県に示した電子自治体推進指針で、総務省は都道府県を中心に市町村がまとまって共同でシステムの開発・運営を行い、さらに民間の専門的で高度な能力・ノウハウも活用する方式を推進するとしております。この方法を進めるに当たっては、電子化の対象となる各自治体の事務の標準化を進めた上でシステム化を行い、共同で民間に発注することによって、コストの削減も可能になってくるものと考えます。
 今、全国的にも多くの都道府県で申請届け出等手続のオンライン化など、電子自治体関連のシステムの整備に当たって、県と市町村の共同による取り組みが行われております。本県におきましても、電子自治体関連システムの構築・運営に当たり、県と県内市町村の財政的人的負担を軽減し、県民がどこに住んでいても、インターネットを利用した行政サービスの提供が受けられることを目指して、昨年4月から神奈川県市町村電子自治体共同運営検討協議会を設置し、県と市町村との共同による情報システムの構築・運営に向けた検討を進めていると承知しております。
 国家的プロジェクトに位置づけられた行政におけるITの活用、特に電子自治体の実現は、今後の行政の基盤をなす事業ととらえても過言ではないと考えます。
 私もこうした県のリーダーシップのもとに、県下市町村同士が密接に連携していくことが、システムをつくる行政側にとっても、利用する側の県民にとっても大切なことではないかと考えます。
 そこで、電子自治体共同運営について、現在どのような検討状況になっているのか、また、県として市町村と連携しながらどのように進めていこうと考えているのか、知事にお伺いいたします。
 次に、電子自治体の実現に向けた情報システムにかかわる調達についてお尋ねします。
 神奈川県におきましても、電子自治体の構築に向けて、ことしに入ってから調査研究等委託が2件、システム開発にかかわるハード・ソフトの賃貸借が1件、民間事業者に調達が行われております。
 これらの業務の入札について私が調べましたところ、本年3月の県市町村電子申請共同運営業務調査委託の入札は予算1,000万円に対し、落札額は税込み31万2,900円、同年3月の県共同運営センター設計業務委託は予算2,000万円に対し、税込み5,040円、さらに、同年8月の電子申請・届け出システムにかかわるソフトウエア・ハードウエア賃貸借は946万2,000円の予算に対し、税込み11万1,510円であり、3件とも落札価格が予算額を大幅に下回り、大手企業が契約しております。
 低コストでよりよいシステムが整備されれば言うことはありませんが、客観的に見て余りに低価格で落札されている実態に対し、今後のシステム構築への影響も懸念され、調達方式のあり方にも疑問を感じるところであります。事業者への発注に当たり、IT関連の業務委託に関しては、競争入札のほかに、事業者からの提案内容の評価を十分に実施した上で選定するプロポーザル方式を採用することも必要ではないかと考えます。
 今後、電子自治体の推進に向けて、さまざまな情報システムの調達が行われると思いますが、適正な調達のあり方について、知事はどのようなお考えを持っているのか、お伺いいたします。

 最後に、システム開発についてお尋ねします。
 電子入札につきましては、国土交通省でも平成13年度から導入を開始し、今年度からすべての直轄事業で電子入札を実施しております。ほかの都道府県においても、岡山県や岐阜県では既に一部導入が図られ、東京都や大阪府も15年度からの導入を予定しております。
 このような状況を考えますと、電子入札システムの導入は、電子県庁の流れの中で避けて通れないものと考えます。今後一層普及していくものと予想されますが、一方において、さまざまな業種の方々が県の入札業務に関する仕組みや考え方について大変懸念していると聞いています。
 本県におきましても、行政情報化プログラムの推進事業に位置づけ、導入に向けた検討を進めてこられたと認識しております。そのような中、9月補正予算において電子入札システム調査費が計上されています。
 そこで、知事にお伺いします。
 本システムに関しては、議会のみならず、県下関連企業が大変注目しており、どのような仕組みになるのかと話題となっております。本システムの機能及び目的はどのようになっているのか。また、開発に対し、今年度に考えられている範囲について、あわせてお伺いいたします。
 以上をもちまして、私の第1回目の質問を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。
〔拍手〕

○知事(松沢成文君)
 答弁に入ります前に、先ほど嶋村議員からもお話がございましたが、けさほど北海道釧路沖を震源とする地震がありまして、マグニチュード8、震度6というかなり大規模な地震であったようでございます。多くの被害も出ているようでありますが、まず被災者の皆様に心より謹んでお見舞いを申し上げますとともに、今後、支援等の要請がございましたら本県としても協力をさせていただきたい、また一日も早い災害復旧がなされますようにお祈りをさせていただきたいというふうに存じます。
 それでは、嶋村議員のご質問に順次お答えをさせていただきます。

 初めに、河川行政について、幾つかのお尋ねがございました。
 まず、鶴見川の治水対策についてでございます。
 県内には1級河川が3水系ございまして、鶴見川はそのうちの一つであり、流域には185万人の方々が住み、京浜工業地帯を抱えるなど、社会的資産が集中した地域を流れる河川でございまして、下流部は国が直轄して管理している大変重要な河川であります。
 そうしたことから、少しでも整備水準を上げる必要があるということで、平成元年に国及び関係自治体と協議いたしまして、国の直轄区間の事業と整合を図った治水の計画として、時間雨量60ミリに対応できるように整備を進めることとしたところでございます。
 鶴見川におきましては、港北ニュータウンなどの急激な都市化に伴う雨水の流出量の増大に対処するため、昭和54年から総合治水対策の取り組みを始めまして、国・東京都及び県のそれぞれが河川管理者として河川や遊水地の整備を行い、一方で流域の市は雨水の貯留浸透施設の設置の指導や下水道整備による雨水対策を行うという役割分担のもとで、河川の整備と流域の対策に一体として取り組んでまいりました。おかげさまで、平成3年には計画の一つの通過点ではございますが、時間雨量50ミリの降雨量にも対処できるようになったところでございます。
 今後の取り組みですが、県は鶴見川本川と支川の恩田川に合わせて3カ所の遊水地を設置する計画がございますが、そのうちの一つとして、既にことし6月に川崎市麻生区に貯留量約11万立方メートルの恩廻公園調節池が完成したところでございます。
 また、もう一つの遊水地計画として横浜市都筑区におきまして昨年度から横浜市営地下鉄の車両基地の下を有効利用した貯留量約12万立方メートルの川和遊水地の整備を進めているところでございまして、残る恩田川の遊水地につきましても整備に向け、具体の位置や規模等の検討を進めてまいりたいと考えております。
 このように国及び自治体との連携による治水対策を進める中で、議員のお話も受けとめさせていただきまして、県といたしましては恩廻調節池に続く遊水地の整備を中心に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、鶴見川流域水委員会における検討の経緯と、今後の県の取り組みについてお尋ねがございました。
 まず、検討の経緯の経緯ですが、議員のご指摘のとおり、鶴見川流域の急激な都市化は水質の悪化などのさまざまな問題を引き起こしてまいりました。このようなことを背景に、国では鶴見川を全国に先駆けたモデル河川として位置づけまして、従来の治水の問題だけでなく、鶴見川の水を取り巻くさまざまな課題を考えていくことといたしました。
 この検討を進めるため、地域の住民の方々、有識者、市民団体、企業などに幅広く参加していただき、国が事務局となりまして、お話しのとおり平成14年に鶴見川流域水委員会が発足したところでございます。
 この委員会では、自然界における水の循環を健全に保つことが重要課題と位置づけておりまして、このための取り組みを洪水時の対策、水質の改善、自然環境の保全、震災や火災時の対応、水辺とのふれあいの五つに分け、その対応の方針、目標、役割分担などを検討してまいりまして、それらを鶴見川流域水マスタープランの素案として取りまとめているところでございます。
 次に、今後の県の取り組みについてでございますが、流域自治体の横浜、川崎及び町田市と河川管理者の国・東京都及び県、そして市民団体などから成る協議会を新たに設置いたしまして、委員会が取りまとめましたマスタープランの素案をこの協議会として今年度中に確定する予定となっております。
 これを受けまして、具体の取り組みを進めていくことになりますが、県といたしましては、洪水時の対策として川和遊水地、恩田川の遊水地の整備事業を進めることといたしております。
 さらに、自然環境の保全や水辺とのふれあいの取り組みの一つとして、鶴見川の支川の早淵川で港北ニュータウン中央地区をモデル地区とし、人々が憩えるような親水空間や水辺のビオトープの形成など、まちづくりと一体となった整備を住民の方々、横浜市及び関係団体と共同して進めていくこととしております。
 このように県といたしましても、現在策定中の鶴見川流域水マスタープランができ上がりましたら、その実現に向けて、先ほど申し上げました対策事業の取り組みを国を初め諸団体と連携をし、推進してまいりたいと思います。

 次に、安全・安心のまちづくりの推進について、目標やその達成時期、またそのための推進体制についてのお尋ねをいただきました。
 議員ご指摘のように、県内の犯罪の認知件数の増加と検挙率の低下は著しいものがございまして、街頭での路上強盗、ひったくりや空き巣ねらいなど、身近でも起こりかねない犯罪というのが急増しております。こうした差し迫った治安対策を強力に進め、何としても犯罪を抑止したいという思いから、去る9月12日に安全・安心まちづくり担当の理事を配置いたしました。
 警察本部の犯罪取り締まり活動の強化はもとより、この理事のもと、全庁体制で青少年問題や交通安全対策、住環境、道路交通環境の整備などを所管する知事部局と警察本部、教育委員会が一体となって安全・安心に関する施策に総合的に取り組んでまいりたいと考えております。
 今後の取り組みの内容でございますが、具体的には理事を中心に今後検討していくことになりますが、まず、安全・安心まちづくり条例につきましては、県全体として安心して暮らせる地域社会を実現するために、県民による自主的な防犯活動の促進、そして防犯関係NPOなどのネットワークの強化、さらには住宅の防犯性の向上などといった内容を盛り込んで、来年度中の策定を目標に作業を進めてまいりたいと考えております。
 また、そのほか治安対策につきましては、条例制定時期をにらんで、総合的な施策の構築に努力をしてまいりたいと考えております。
 暴走族問題につきましては、7月25日に県交通安全対策協議会からいただいた最終報告をもとに、暴走族追放条例の制定作業を進めておりまして、12月議会への提案を目指しております。
 また、街頭犯罪対策では繁華街の防犯カメラ、スーパー防犯灯の設置に努めるなど、できるものから順次実施してまいりたいと考えております。
 次に、こうした施策の検討推進体制でございますが、全庁的な連携・調整を図るため、副知事、理事、部局長等で構成する全庁横断的な推進体制を早急に設けてまいります。さらに、この推進体制を実効性あるものとするため、各部局の総務室長で構成する幹事会や課題別の部会の設置を検討しておりますし、こうした庁内の推進体制が整い次第、順次、市町村や関係団体との連携を図る組織についても設置していきたいと思います。
 こうした体制のもと、安全・安心まちづくりに向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、電子自治体共同運営の検討状況と、県と市町村が連携した今後の進め方についてのお尋ねがございました。
 電子自治体の実現に当たりましては、県民が自宅などからインターネットなどを通じて申請や届出などの手続を行えるようになり、県民サービスの向上が図られること、そしてそれぞれの自治体が単独で運営する場合に比べて、財政、人材の両面から行政の負担が軽減できることから、県と市町村が共同で取り組む必要があると認識をしております。
 そこで、全市町村参加のもとに、昨年4月に神奈川県市町村電子自治体共同運営検討協議会を設けて、共同で運営を行う場合の体制や共同実施可能な業務、開発・運用にかかわる費用とその分担方法等について検討を進めてまいりました。
 また、例えば住民票の写しの交付請求など、どの手続から電子化するのか、市町村ごとに手続や様式などが少しずつ異なっているものをどのように標準化するのか、電子化に伴って市町村業務をどのように見直し、窓口で対応時間の減少などの業務の効率化に結びつけていくのかなどといったことにつきましても、市町村とともに部会を設けて検討をしております。
 さらに、費用対効果など、共同運営のメリットやスケジュールなどについては個別に市町村と意見交換を行うなど、市町村の理解を十分に得られるよう進めてまいりたいと思います。
 次に、県と市町村が連携した今後の進め方でございますが、年内には共同運営への参加の意向を確認した上で、市町村と共同で準備のための組織を立ち上げ、平成16年度に電子申請システムなどの構築と試行、平成17年度から運用開始と業務の順次拡大を予定しているところでございます。
 県といたしましては、市町村間で行政サービスに格差が生じないようにすることが広域自治体としての県の役割と認識をしておりますので、多くの市町村に参加をいただき、市町村と連携して取り組んでまいりたいと考えております。

 続いて、適正な情報システムの調達のあり方に関してでございます。
 まず、予算に比べて著しく低価格の入札があった場合の対応ですが、本県では入札の執行者が最も金額の低い応札者に入札内訳書の内容の調査や確実に業務を遂行できるかなどの事情聴取を行った上で、落札者を決定しております。
 議員のご指摘の案件でございますが、委託事業につきましては所管部局で、また賃貸借につきましては出納局で、入札執行者として調査を実施した上で、落札者を決定しております。
 一般的に情報システムの特徴として、開発から運用まで複数年にわたることから、初年度に低価格で落札され、翌年度以降の随意契約につながり、結果的に競争性が失われ、コスト高になるのではないかと懸念をされております。また、こうしたケースでは資金的・人的に体力のある企業が有利となり、中小企業の受注機会の減少等につながるということも言われております。
 こうした課題に対応するために、国や幾つかの自治体におきましては、価格に加え、技術的な要素を考慮した評価方式の導入、そしてシステム開発から運用までを含めた複数年にわたるトータルコストを考慮した調達、さらに技術力のある中小企業の入札参加機会の確保などの取り組みが行われ始めているところでございます。
 今後の対応でございますが、本県におきましても、今申し上げましたような国やほかの自治体と同様の視点で検討を始めておりますが、議員のお話にもありましたプロポーザル方式も含めまして、より適切な情報システムの調達が可能となるよう検討をしてまいりたいと考えております。
 最後に、電子入札のシステム開発についてのお尋ねがございました。
 議員ご指摘のとおり、今日の社会はIT化への大きな流れがございます。これに対応いたしまして、本県でも電子入札の導入について検討を進めてきておりまして、現在、基本計画策定に向けて鋭意作業を行っているところでございます。
 現在考えております電子入札システムの機能につきましては三つございまして、一つ目は事業者管理業務の電子化でございます。これは従来窓口で行っております入札参加資格の登録手続を、インターネットを通じて行えるようにするというものであります。
 二つ目は、入札情報サービス業務の電子化でございます。これも従来、県政情報センター等で公表しております発注予定情報や入札結果等を、インターネットを通じて見ることができるようにするものであります。
 三つ目は、入札・開札業務そのものの電子化であります。これは従来から一堂に会して行っております入札書の提出や開札、落札者の決定などの業務をインターネットを通じて行えるようにするものでございます。
 これらの機能を利用することにより、受注者側にとりましては入札会場へ足を運ぶ必要がなくなりますので、移動や時間にかかるコストを削減することができますし、発注予定情報等を的確に得られることで、事業計画の策定にも役立つなど、さまざまな面で利便性や経済性の向上が図れるものと期待をしております。
 また、発注者側にとりましても、事業者情報の一元化や入札・開札にかかる作業の大量一括処理などによって、事業の効率化・合理化が期待できるものと考えております。
 さらに、現在、県と希望する市町村との間で、これらの機能を持つ電子入札システムの共同運営に向けた検討も進めております。これが実現をいたしますと、共同運営に参加する自治体間において、インターネットを通じて行う操作手順や本人確認のための認証手続が共通化されて、システムを利用する事業者にとって大変使いやすいものになると考えております。
 また、従来それぞれの自治体ごとに行っている入札参加資格の登録手続を参加自治体間で一本化できれば、登録申請が1回で済むといったことも可能となって、受注者側の利便性が大幅に向上するものと考えております。
 ただいま申し上げました今までの検討経緯を踏まえまして、今年度はこの電子入札の仕組みを構築するため、システム開発の発注準備として委託範囲等の内容、例えばシステム構成、システム性能、セキュリティー対策などを開発する項目や、その範囲を定めるための仕様書を作成する必要がございますので、その作成費として電子入札システム調査費を今回の補正予算案に計上させていただいております。
 なお、平成16年度以降のスケジュールにつきましては、まず16年度においてシステムの基本設計、詳細設計を行い、その後、プログラム作成や実証実験、試行等を行っていきたいと考えております。これらのシステム開発には、おおむね2年ないし3年を要するものと考えております。
 私からの答弁は以上であります。

○警察本部長(末綱 隆君)
 まず、警察施設整備の基本的な考え方についてお答えをいたします。
 県下53警察署のうち、建築後30年を経過する警察署は23署ありまして、ご指摘のとおり老朽・狭隘化が進んでおります。警察署の建てかえ基準につきましては、建築後の経過年数に伴う老朽度、警察事象の変化に伴う人員規模の増大による狭隘度等を勘案しまして、耐用年数をおおむね30年として建てかえ計画を策定しているところであります。また、狭隘な敷地を解消するための移転用地の確保、耐震構造への配慮等も視野に入れるなど、総合的に検討を進めて対応してまいりたいと考えております。
 このような方針と同時に、厳しい財政状況をも勘案しまして、現在の予定では、今春開署いたしました川崎警察署に続き、小田原警察署、秦野警察署、仮称ではありますが、相模原北部地区警察署、幸警察署と、毎年度1警察署のペースで新築をお願いしてまいりたいと考えているところであります。
 次に、あんしん歩行エリアについてお答えをいたします。
 現在、交通事故で亡くなられる方のうち、歩行者と自転車利用者の占める割合は4割を超えている状況にあります。こうした状況を踏まえまして、本年度から5カ年の国の施策としまして、交通事故の多発しているおおむね1キロ四方から2キロ四方の地区を全国で796カ所、あんしん歩行エリアに指定をしまして、歩行者と自転車利用者の安全通行権の確保に向けた施策を道路管理者と連携して推進しようとするものであります。これによりまして地区内の人身事故の2割以上、うち歩行者及び自転車利用者に係る人身事故の3割以上の抑止を目指すものであります。
 具体的にご説明しますと、一つ、信号機を改良して、歩行者と車両の通行を時間的に分離すること、二つ、高齢者や身体障害者に配慮した信号機を整備すること、三つ、周辺の幹線道路の交通を円滑化したり交通情報を提供することによりまして、地区内を通過する交通を抑制すること、四つ、路側帯を拡幅して歩行者が歩く空間を確保すること、五つ、夜間でもよく見える道路標識・表示に変えることなどを内容としております。このほか、道路管理者において、歩道の整備や交差点の改良が行われるものと承知をいたしております。
 本県におきましては、5カ年で50カ所が指定されておりまして、本年度は県下11カ所において対策を開始いたします。道路管理者とその地区の交通事故の実態を分析しながら、各地区に合ったきめ細かい対策を行って、交通事故を1件でも減らしていきたいと考えております。
 また、今後とも、指定された地区外におきましても事故多発地点や通学路などにおいて、歩行者や自転車利用者が安全に通行できる道路交通環境の整備にも努力してまいりたいと思っております。
 以上であります。

○嶋村ただし君
 時間がございませんので、自席から失礼をさせていただきます。
 思うところを述べさせていただきます。
 知事、警察本部長におかれましては、ご答弁ありがとうございました。
 鶴見川治水については、引き続き対策がなされるものと承知いたしましたが、ぜひとも環境・水質にもご配慮いただき、県民に安全で親しみのある河川にしていただきたいと思います。また、していくべきと考えます。
 一方、港北警察署の現在の署長室は雨漏りがございまして、日々、老朽化していくと承知しております。いずれも水対策でありますが、県民に理解ある対応を求めておきます。
 次に、IT関連の調達でございますが、松沢知事の政治姿勢は議会において、とてもハードな答弁が多く理解しにくい点が多々ございます。IT関連の調達は大変ソフトであり、柔軟なシステム開発を必要としなければ県民に受け入れられません。ミスを許されないソフトウエアの開発は、県内市町村との信頼関係が最も必要だと考えます。電子自治体の財政面にも関連する事業でございますので、知事みずからソフトな姿勢を出していただきたいと申し上げ、私の質問とさせていただきます。
 終わります。



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